PUBと米EPA、長期的な水の持続可能性における研究協力を目的としてMOUを調印

シンガポール公益事業庁(PUB)と米国環境保護庁(EPA)は、安全な飲料水の研究や新たな汚染物質(Emerging Contaminants)、流域管理、持続可能なインフラ、水の再利用の各分野における研究と技術的専門知識の交換において協力することを合意、MOU(覚書き)を調印した。

このMOUに関するPUBのプレスリリースは以下のURLから閲覧可能である。
http://www.news.gov.sg/public/sgpc/en/media_releases/agencies/pub/press_release/P-20130627-1/AttachmentPar/0/file/PUB%20-%20USEPA%20Press%20Release.pdf

長期的な水の持続可能性における協力を約束

2013年6月27日に調印されたこのMOUは、両国の間で長期的な水の持続可能性に関する科学的、技術的知識を発展させていくことを目的としたものである。調印式は、PUBの水管理と水資源保全に関する戦略に加え、NEWaterとして知られる再生水の生産に用いられる廃水処理技術を展示する「NEWaterビジターセンター」で執り行われた。署名者はPUBのChew Men Leong長官と、シンガポールに駐在するDavid Adelman米国大使である。Chew長官は声明の中で、「EPAは、水の研究および政策、特に水質分野において国際的に名高いリーダー的存在である。我々PUBが水に関する課題の解決を目指し、革新的な解決策を生みだすべく世界の水産業と手を携えて協力を続けていく上での重要なパートナーだ。」と述べた。またAdelman大使は、このパートナーシップが「飲料水の安全性を高め、水資源管理の高度化を促すだろう」と述べた。

具体的な協力の分野

本MOUの下、両国は共通して関心をもつ分野で協力することとなる。具体的には、安全な飲料水の研究、人の健康と生態系を視野に水質を向上・維持するための流域管理、水処理・廃水処理に関する革新的技術の研究開発、水の再利用と廃水からの資源回生、持続可能な水インフラなどが挙げられている。シンガポールは国内の水需要の30%を廃水処理による再生水でまかなっており、再利用された廃水は飲用ではなく工業的用途に使用されている。また米国の各々の州では、多様な工業用(非飲用)水として、廃水の再利用を進めている。
今回のMOUの調印により、PUBと米国の大学、アメリカ水道協会(AWWA)などといった非営利団体との間でこれまでに築かれてきた協力関係が正式に形をもつこととなる。

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