Veolia Environmentは、2013年10月28日、WatchFrogとの提携を継続することを発表した。パリの国立自然史博物館から分離独立してできた企業、WatchFrogは、下水処理プラントからの排出水の水質と、生物多様性へのその影響とを短時間で評価できるスマート・バイオセンサーを開発している。WatchFrogはVeolia Environmentと提携して、下水中の内分泌攪乱物質(甲状腺ホルモン、エストロゲン、副腎皮質刺激ホルモンなど)の存在をカエルの幼生、すなわちオタマジャクシの体の一部の蛍光発光によって検知するツールを作成した。
オタマジャクシの蛍光を利用して内分泌攪乱物質を検出
この画期的なツールを用いると、オタマジャクシは内分泌攪乱物質の影響をうけたときに蛍光を発する。影響が強ければ強いほど、蛍光は明るくなる。
VeoliaとWatchFrogが今後も提携を継続するのは、下水処理の過程で内分泌攪乱物質をどの程度まで除去できたかを測定するのに役立つこの技術を製品化し、商業化するためである。Veoliaが現在もっているActifloCarbなど、独自の三次下水処理技術は、内分泌攪乱物質などの微小な汚染物質をかなり除去することができる。この三次処理技術をオゾンによる酸化と組み合わせると、内分泌攪乱物質とその副産物を95%以上消滅させることができる。
Veoliaのこの処理技術に新たな測定方法による情報を加えることで、ActifloCarbによる下水処理プロセスの微調整が可能になる。
EUの規制施行を控えての決定
Veolia EnvironmentとWatchFrogが提携の継続を決定したのは、内分泌攪乱物質に関するEUの法規制の施行を控えて、両社の専門的知見と技術を組み合わせて公衆衛生の向上と環境への影響の低減をはかる必要があると判断したためである。