ガーナの水問題にイスラエルが技術協力へ

2013年秋にイスラエルのテルアビブで開催される「水と環境の国際展示会・会議WATEC 2013」について、それを紹介するセミナーがガーナの首都アクラで2013年9月10日にひらかれた。このセミナーの冒頭にてイスラエルの駐ガーナ大使であるSharon Bar-Li氏は、ガーナの水問題に国を挙げて協力していくと宣言した。これに対してガーナの水資源・公共事業・住宅省のAlhaji Collins Dauda大臣も、その協力を受け入れ国内の水問題を解決していくと訴えた。両国は1950年代、60年代以来、上下水の問題で密接な協力関係を築いてきた経緯がある。

Sharon Bar-Li大使は、この挨拶の中で次のように述べている。「イスラエルは水管理のソリューションにおいて持てる専門技術と経験をガーナと分かちあう用意がある。ガーナの公共部門に対しては、民間部門と手をたずさえ、イスラエルの水企業と提携してベスト・プラクティスを共有するよう訴えたい」

一方、Alhaji Collins Dauda大臣は「いまこそ、イスラエルとの協力によって、関連インフラの効率的な管理とインフラへの大規模な投資を確保し、問題の現実的な解決策をさぐるべきときだ。そうすることで、国の自己充足のためのじゅうぶんな水とそれへのアクセス、経済成長、貧困の緩和、そして社会的公正が保証されることになる」と述べた。

ガーナの水問題とそれを解決するイスラエルの水技術

ガーナ政府は、容易にアクセスでき、信頼性が高く、公平に行きわたる飲料水の提供をうけることを、基本的人権のひとつと捉えている。しかし、住宅用や産業用のじゅうぶんで持続可能な水供給には、多くの問題を克服する必要がある。そうした問題のおもなものは、人口の急増、都市型の水道利用形態の増加、環境悪化、水資源管理体制の貧弱さ、困難さを増す資金調達などである。

現在イスラエルには、世界最大の逆浸透淡水化施設があり、水の安全があり、また、同国では使用した水のおよそ75%をリサイクルして点滴灌漑技術で農業用に再利用している。さらに、イスラエルの下水処理・汚染除去のシステムは、世界の最先端を行くもののひとつである。このように、イスラエルは水資源管理の分野で何十年にもわたって豊富でユニークな経験を蓄積し、知識と技術を優先順位付けしてひとつにまとめ上げてきた。この点についてAlhaji Collins Dauda大臣は高く評価し、大きな期待を寄せている。