インドのプネー市、中水のリサイクルを実施へ

インド西部のマハーラーシュトラ州プネー市は、直面している水不足問題への持続可能な解決策をさぐる試みの一環として、生活雑排水などのいわゆる中水(グレー・ウォーター)のリサイクルをおこなうパイロット・プロジェクトを提案している。
これについてプネー市役所のSahakarnagar支所が作成した提案書によると、同市の下水は通常、69%がグレー・ウォーターで、31%がトイレ排水(ブラック・ウォーター)である。この提案書はつぎのように述べている。「グレー・ウォーターをブラック・ウォーターと分離して処理すれば、下水処理コストの節約になる。Sahakarnagar支所管内の第67区を代表するAba Bagul市議会議員は、このためのパイロット・プロジェクトの実施を主張してきた。市当局は、これをどのように進めていくのかについて指針を示すべきである」

下水道設計段階でのシステム導入のほうが現実的

グレー・ウォーターはキッチンの流し、シャワー、洗濯機などからの排出水である。専門家らによれば、家庭から下水道に流される水の50%ないし80%が、トイレの洗浄水や庭の水やり、畑の灌漑などに再利用できるという。
グレー・ウォーターをトイレに再利用するには、専用の配管、ポンプ、貯水槽、それに簡単な水処理装置を取り付ける必要がある。しかし、既存のトイレや便器を改造してグレー・ウォーター用のこのようなシステムを組み込むのは、高くつく可能性がある。それよりも、下水道の設計段階で、グレー・ウォーター再利用のための集水・処理システムを導入するほうがずっと現実的だと専門家らは言う。

夏の水不足解消に有効

このパイロット・プロジェクトについて、Bagul議員はつぎのように述べている。「プネー市はグレー・ウォーターをリサイクルするパイロット・プロジェクトに意欲を示しており、われわれはその成功を確信している。第67区でプロジェクトがはじまれば、市のほかの地区でも同じ動きが見られるようになるだろう」
Bagul議員はさらに、リサイクル水の利用は特に夏のあいだ市が危機的な水不足を克服するのに役立つだろうと述べた。現在は庭の水やりや洗車などに飲料水が使われているが、それがグレー・ウォーターのリサイクルによって節約されるからである。
プネー市の提案書は、増えつづける人口と水需要を考えるとき、グレー・ウォーターのリサイクルが市にとって大きな助けになるだろうと述べている。