中国環境保護部は、かねてから実施していた全国の廃水処理施設の調査の結果をとりまとめ、2014年7月25日に公表した。この調査結果の概要は、環境保護部の傘下組織である中華環保連合会のウェブサイトに掲載された。それによると、廃水処理施設の建設や運営の監督に不備があり、これが全国の水質汚染の大きな原因になっていることが判明した。
実際の調査には20組の調査チームがあたり、全国的に、多くの廃水処理施設――特に、比較的大規模な施設や工業団地内の施設――から、基準を超える汚染水が排出されていることが明らかになった。
また、廃水処理施設の環境面での監督が不十分であったり、せっかく装備されている廃水処理技術が活かされていなかったりといったことから、未処理の廃水が地表水の水源に直接排出されているケースもあった。
この調査について環境保護部は、近い将来により詳細な結果を公表し、違反施設に対する罰金や矯正措置を明らかにするとともに、排出基準や規制の強化をおこなうものと見られている。
廃水処理基準の強化も
上記の調査結果公表とは別に、環境保護部の監督下にある中国環境報は2014年7月22日、地表水のうち最も環境基準の緩いV類の水――灌漑と造園にのみ使うことのできる地表水――の水質を改善することをおもな目的として、国が廃水処理基準の強化に踏み切る可能性があると報じた。この基準強化は、水質汚染防止処理法の改正によっておこなわれる見通しだ。
また、廃水処理に関しては、新規の処理施設の建設の遅れ、廃水を処理施設に導く管路網の不備、および廃水の排出をモニターする専門技術者等の不足が問題として指摘されている。
なお、国家発展改革委員会は2014年7月11日、重慶市と青海省の下水処理プラント建設にそれぞれ6億6000万元(約110億円)と4億元(約67億円)を特別に充てることを明らかにした。