Veolia Environnement、循環型経済事業の売上高を2020年までに倍増させる方針

仏Veolia Environnement社のアントワーヌ・フレロ(Antoine Frérot)会長兼最高経営責任者(CEO)は2014年12月2日の記者会見で、循環型経済に係る事業分野における売上高を現在の25億ユーロ(1ユーロ=146円換算で3650億円)から2020年までに50億ユーロ(7300億円)に倍増させる方針を表明した。循環型社会ビジネスの世界市場の規模は、現在は250億ユーロ(3兆6500億円)程度であるが、同社は2020年までに300億~400億ユーロ(4兆3800億~5兆8400億円)に成長するものと見込んでいる。

Veolia Environnementグループは、従来のリサイクル事業に加えて、溶剤のレンタル、英国における市街地の塵芥からの稀少金属の回収、仏ル・アーブル(le Havre)の港湾地帯におけるCO2回収・貯留等の分野に特に注力している。フレロCEOは「21世紀の宝の山、それは工業国の廃棄物である。一次資源の主な鉱脈を成しているのは、これらの廃棄物なのである」と指摘している。

フレロCEOは、欧米の企業にとって一次資源の価格は1900年から2000年にかけて実質的に2分の1になったが、新興工業国における需要が増大したために2000年から2013年にかけては3倍に高騰したことを強調している。また、同CEOによれば、廃棄物の分別・リサイクルには処分の6~25倍の人手が必要になることから、循環型経済への移行に伴い、フランスでは2020年までに2万~3万人の永続的雇用が創出される可能性があるという。

Veolia Environnementグループは7つの事業分野、すなわち循環型経済、都市のための革新的なソリューション、困難な汚染の処理、廃止措置、農水産物加工業、鉱業、石油・ガス産業を特に有望な“主要成長課題”と位置付けている。