米国カリフォルニア州環境保護局の環境健康有害性評価室(OEHHA)は2015年2月27日、飲料水に含まれる過塩素酸塩の最新の「公衆衛生目標(PHG:Public Health Goal)」を公表し、あわせてこの新目標に関する技術的裏付け文書の最終版が公開されたことを発表した。なおPHGとは、健康への悪影響が起こらないと思われる飲料水汚染のレベルを意味する。
最新のPHG
最新のPHGは1 ppbである。この数値は、ヨウ化物の甲状腺への取り込み抑制と、その結果引き起こされる甲状腺ホルモンの分泌の乱れにもとづいて決められた。今回のPHG更新では、影響を受けやすい集団として幼児に注目して過塩素酸塩への曝露とその考えられる影響を考慮し、最新の幼児の飲料水摂取率を採用した。その結果、過塩素酸塩のPHGは6 ppbから1 ppbに引き下げられた。
技術支援文書
PHGに関する技術的裏付け文書は、飲料水に含まれる過塩素酸塩の健康への影響に関する情報を提供するものである。1996年のカリフォルニア州安全飲料水法はOEHHAに対し、公衆衛生に関する検討のみに基づいてPHGを作成することを求めている。OEHHAが発表したPHGは、飲料水基準、すなわち最大汚染物質濃度(MCL)を設定する際に、カリフォルニア州水資源規制委員会によって検討される。
過塩素酸塩に関する最初の文書案は2011年1月7日に発表されたが、その後、公開ワークショック、意見公募、および外部専門家のピアレビューを経て、文書案の第二版が、ピアレビューで寄せられたコメントに対する回答とともに、2012年12月7日に公表された。OEHHAは、受けとったすべてのコメントを検討し、必要に応じて文書案に反映させたと述べている。
飲料水に含まれる過塩素酸塩に関する技術的裏付け文書の最終版をはじめとする関連情報は、以下のURLで入手できる。
http://oehha.ca.gov/water/phg/2015perchlorate.html