コロンビア環境省、国家水資源調査書2014を発表

コロンビア環境省は2015年8月11日、コロンビアでは初めてのウォーターフットプリント情報を含む「国家水資源調査書2014年度版」*1を発表した。調査書は、コロンビア水資源・気象庁IDEAMの主導で、環境関係の25の政府機関や、民間企業、団体、協会、大学の協力により作成されたもので、主な調査結果として、以下が示されている。

  • コロンビアの水の全流出量は、世界平均の6倍、ラテンアメリカ平均の3倍で、国土全体の74%をカバーしているが、人口の80%が居住し、GNPの80%が生産されるマグダレナ・カウカ地域及びカリブ地域の水の供給量は、全体のわずか21%となっている。また110の市町村に1750万人が居住するこれらの地域の18の水域に、水使用過多や水質汚染、洪水などの問題が集中している。
  • 生分解可能物質、非生分解性物質、栄養素、重金属、水銀などによる水質汚染は、ボゴタ市やメデジン市などの主要都市を含む150近くの市町村に集中している。
  • 2012年に水域に放出された生分解可能有機物は756,945トン/年、非生分解可能有機物(化学物質)は918,670トン/と見積もられる。
  • 全国で205トンの水銀が、土壌や河川に放出されている。
  • 1153万人の住民が居住する市町村では、乾季に水不足となる。
  • 農牧業の水への依存度が高く、これらの部門は気候変動に脆弱となっている。
  • 61の水域区が、水の使用過多や水質汚染、水不足、気候変動影響範囲に位置している。
  • 水資源の条件改善の為には地下水の利用が考えられるが、全体の20%の地下水域しか、資源の利用に必要な情報がそろっていない。
  • コロンビアでは、2012 km3相当の62%の雨水が地表水となるが、人口が集中するマグダレナ・カウカ地域ではこれらはわずか13.5%で、一方アマゾン地域では37%となっている。
  • 推定地下水量は、16の県で5848km3となる。
  • 全国の水需要量は合計359億8700万m3で、46.6%が農業部門、21.5%がエネルギー部門、8.5%が牧畜、8.2%が家庭用となっている(下図)。

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図 コロンビア国内の水需要の内訳
(出典:国家水資源調査書2014年度版)

  • 地下水使用料徴収記録によると、10億m3の地下水が利用されており、そのうち48%は農業用(大部分が製糖産業向け)、17%が家庭用、25%が工業用となっている。
  • コロンビアでは毎年3億トンの堆積物が流れており、うち1.4億トンはマグダレナ河となっている。

*1 http://documentacion.ideam.gov.co/openbiblio/bvirtual/023080/ENA_2014.pdf