中国天津市、水関連企業の排出基準適合に関する厳格な特別検査を実施――違法排出行為の取り締まりを強化

中国天津市は、水関連企業の環境に関する監督や管理の強化を図り、違法な汚染物質排出行為を厳しく取り締まるため、「天津市水汚染防止業務計画」の要求に基づき、2016年5月、水関連企業の排出基準適合に関する厳格な特別検査業務の実施を開始した。

天津市環境保護局の発表によると、環境保護部門が2016年10月末までに、製紙、石油化学、製革、染色、染料、コークス、電気メッキ、農薬、非鉄金属、原薬製造、農産食品加工などの業界を重点として、全市の水関連企業や工業団地における汚染物質排出状況の検査を実施する。同検査業務では、環境アセスメントの審査・承認および検収手続きの未実施、汚染防止施設の不適正な使用、オンライン・モニタリング・データの改ざん、不法な排出や投棄、基準を超えた排出など環境違法行為の厳しい取り調べが行われ、検査結果は汚染源データベースに組み入れられる。

さらに、環境保護部門は、今回の全面的な検査を基礎として、継続的に実施する日常監督検査業務の改善を続けるとともに、「イエローカード(黄牌)」および「レッドカード(紅牌)」による警告や公表という枠組みを構築していく。今回の調査や日常監督検査で基準超過が判明した企業は、法に基づき処罰が科されるとともに、「イエローカード」の警告を受け、生産制限または操業を停止した上での改善が求められる。改善後、依然として要求に到達せず、違反が重大な企業については、「レッドカード」の警告を受けるとともに、管轄地域の人民政府により操業停止、閉鎖が命じられる。「イエローカード」、「レッドカード」の警告を受けたすべての企業名は、定期的に公表される予定。

今回の水関連企業の排出基準適合に関する厳格な特別検査業務は、天津市の「水汚染防止100日行動・法執行特別検査」や、「十小企業*1」の取り締まり業務との連携を十分に図りつつ実施されていく。同検査業務により、安定的な基準達成という責任を果たすよう企業を促し、水関連企業が基準に適合した排出を安定して行うよう確実に保証して、天津市の水環境質の持続的な改善を進めていく。

*1 「水質汚染防止行動計画(水十条)」で定められている製紙、製革、捺染染料などの10業界の中小企業のこと。