中国環境保護部、北京・天津・河北省など工業密集地域の水質汚染対策情況を公表

中国環境保護部は、2016年11月24日、北京市・天津市・河北省、長江デルタ(上海市・江蘇省・浙江省)、珠江デルタ(広東省)の工業密集地域の水質汚染集中対策業務の進展情況を公表した。2016年9月時点で、591カ所のうち65カ所でまだ規定通りに汚水集中処理施設を設置しておらず、89カ所で自動オンライン測定装置を設置していなかった。いっぽうで北京の省クラス以上の工業密集地域計25カ所では、その全てで規定通りに汚水集中処理施設が設置されていた。ただし自動オンライン測定装置については、14カ所で未設置であった。

主な結果は次の通りである。

検査対象 汚水集中処理設備 自動オンライン測定装置
設置 未設置 設置率(%) 設置 未設置 設置率(%)
北京市 25 25 0 100.0 11 14 44.0
天津市 60 58 2 96.7 60 0 100.0
河北省 252 191 61 75.8 180 72 71.4
上海市 3 3 0 100.0 3 0 100.0
江蘇省 131 130 1 99.2 129 2 98.5
浙江省 114 114 0 100.0 114 0 100.0
広東省珠江デルタ 6 5 1 83.3 5 1 83.3
合計 591 526 65 502 89


図 汚水集中処理設備および自動オンライン測定装置の設置率

環境保護部は、「水質汚染防止行動計画(水十条)」に基づき、関係部門と連携し、期限までに規定通り汚水集中処理施設を設置せず、または自動オンライン測定装置を設置していない工業密集地域では、水質汚染物排出を増加させるプロジェクトの審査と認可を一時停止したり、規定に基づきその工業団地の認定を取り消すなどの措置をとるとコメントしている。

なお、「水質汚染防止行動計画」では、北京市・天津市・河北省、長江デルタ、珠江デルタにおいては、2016年末までに全箇所でこれらが設置されなければならないと定められている。