ボリビア、2020年までに汚水処理場建設に5億米ドル投資すると発表

ボリビアの環境省の上下水部門副大臣は、2017年3月22日、2020年までに汚水処理場建設に5億米ドル投資すると発表した。政府の社会経済開発計画の枠組みで、水源の汚染を防止するという汚水処理に関する国家戦略や政策を適用する為のプログラムを計画していると説明している。

また副大臣は、下水道を普及させて汚水を適切に処理する為の、持続可能なインフラ投資プログラムを策定中と述べ、9つの県の県都及び中規模の都市の市長に対し、汚水処理場を建設する為の用地を提供するよう依頼した。また現在国内にある汚水処理場の現状を調査し、インベントリーを作成すると発表している。この他、世界的な水不足のなか、住民に対して節水に協力するよう呼びかけるなど、短期、中期、長期行動計画も開始したと述べた。

環境省によると、ボリビアでは飲料水普及率は2013年には81%だったのが2015年には85.1%に達したが、下水道普及率は57.8%、汚水処理率は31%にとどまっており、水源汚染による環境やひとの健康への影響が懸念されている。汚水処理率は、1万人以上の市町村の汚水処理率は35%となっているが、人口2千人から1万人の市町村では5.1%であり、汚水処理が殆どされていない状態となっている。飲料水普及率は、人口2千人から1万人の市町村では93.8%だが、2千人以下の市町村では66.3%となっている。飲料水普及率に関しては政府は、2025年までに100%とする目標を揚げている。

サンタクルス市の環境衛生協会(ABIS)会長によれば、サンタクルス市では飲料水と電気の普及を優先したため、下水設備の整備が遅れており、野外の汚水槽使用が大半を占める地区があると指摘しているが、サンタクルス市の上下水サービス会社Saguapacにれば、サンタクルス市南部の下水道整備プロジェクトが現在5件予定されている。

一方ボリビアではスペイン政府の上下水協力基金FCASにより、サンタクルス、コチャバンバ、ベニ、オルロの4つの県の14の市町村とラパス市で、19の上下水整備プロジェクトが進行している。FCASによるプロジェクトではインフラ建設の他、村落開発プログラムや住民への環境・衛生教育、政府機関の能力強化が実施されている。

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