オマーンのHaya Water、2045年までのマスタープランを発表

オマーンの国営下水処理会社Haya Water社[1]が国民の健康と環境の保護を目的とした2018年から2045年の下水処理のマスタープラン(以下、「本プラン」)を発表した。Haya Water社は2018年7月10日、セミナーを開催し、本プランについて説明した。本プランは、2018年から2045年にHaya Waterの管轄する地域内で実施される全ての下水処理プロジェクトに関するものであり、セミナーでは出席した政府・民間関係者が本プランについてのフィードバックを寄せた。

Haya Waterの資産管理ジェネラルマネージャー、Sulieman bin Khamis al Qasmi,氏によると、同社は地方自治水資源省からドファール特別行政区をのぞく全ての行政区の関連資産の移転を受けた2014年半ばから本プランの策定を開始したという。本プランによると、2045年までに下水処理プラントは合計133箇所、処理能力979m3/日となり、410万人がこのプロジェクトの恩恵を受けるという。下水処理プラントの建設計画は健康、環境、社会、経済の各要素にしたがって、以下を含む複数のステージで構成されている。

1ステージ 21箇所の下水処理プラントを建設する。処理能力は1万m3/日から8万5000 m3/日に増加し、9つの行政区に住む人口の約70%をカバーする。
2ステージ 中規模のプラントを65箇所建設する。これらのプラントの処理能力は合計930m3/日であり、これにより人口の約17%をカバーする。建設されたプラントからは年間約370トンのスラッジが発生すると見込まれる。

本プランに基づき建築される下水管路は、基幹管路で全長2,765km、その他の管路は3万1350kmに達する予定であり、2045年には都市部86の区域に住む410万人がサービスを受けるという。これに伴って75万5000の世帯、事業所、企業が下水管に接続される。なお、al Qasmi氏によると、本プランにかかるコストは60億オマーン・リアル(約17300億円)であるといい、同氏は投資家らに対し、本プランのプロジェクトに投資すれば、処理後の水と肥料の売上により利益を上げられるとして投資を呼びかけた。

[1] 2002年創設の国営企業。当初は、オマーンで最も人口の多いマスカット行政区域の廃水処理業務を担当していたが、2014年よりオマーン全土(ドファール特別行政区を除く)を担当している。

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