仏Veolia Environnement社のアントワーヌ・フレロ(Antoine Frérot)会長兼最高経営責任者(CEO)はこのほどがロイター通信のインタビューに答え、2016-2018年を対象期間とする新たな3カ年経営計画を策定中であることを明らかにした。現行の経営計画(2012-2015年)はコスト削減、負債軽減、企業と新興国を重視した事業展開を柱としているが、これらの課題は新計画にも引き継がれ、新たな余剰人員削減措置と有機的成長戦略(M&A等によらない自力成長)が盛り込まれる見込みである。
Veolia Environnement社については、2年以上前に最大の競合相手であるSuez Environnement社との提携が検討されたこともあったが、フレロ会長は「その種の取り組みは我が社の規模を拡大し、新たな地平を拓いてくれるかもしれないが、有機的成長を実現するための新たな技能やノウハウをもたらすわけではなく、新規市場の開拓を促進するわけでもない」と指摘している。ただし同会長は、自社の既存のポートフォリオを補完するための小規模な外部成長戦略は必ずしも排除しないとしている。
Veolia Environnement社の2014年の営業実績の内訳は水部門が45%、廃棄物管理部門が35%、エネルギー部門が20%であった。フレロ会長は、今後数年間はエネルギー部門が他の2部門を凌ぐ勢いで成長すると予測している。一方、同社は2014年8月以降、国内の水部門を対象とする余剰人員削減措置を進めており、総人員1万6000人のうち、これまでに約800人の希望退職者を数え、約1400人の配置転換を行った。しかしフレロ会長は、水部門と廃棄物管理部門の売上高は長期的には安定すると考えており、2015年には中欧や中東で新たな商機を見出すことができ、より小規模ながら北欧と北米からの受注も期待できるとしている。
また、Veolia Environnement社は、汚染浄化、廃止措置、農産物加工、石油・ガスといった新たな分野にも注力していく方針である。これらの事業は既に2014年の総売上高の3%を占めており、フレロ会長は、今後も恒常的なペースで同水準の売上が見込めるものと予測している。