中国、違法排水を行った外資大手Veolia社に約3000万元の罰金――三同時制度の未履行により操業停止処分も

中国環境保護部は、2015年5月29日付けで、4月に取り締まりを行った21件の重大環境違法案件について公表した。このうちの1件は、中仏合弁企業である海口ヴェオリア水務有限公司白沙門汚水処理場(一期)による違法排水である。同処理場では、脱リン・脱窒関連改造工事が未完成のために放流水が基準を超過する違法行為があり、海口市環境局は4回にわたって期間限定の是正命令出し、結果として計2772万3800人民元(約5億5000万円)の罰金が科されている。加えて、同施設が、国の「三同時」制度(投資プロジェクトの実施と同時に、環境汚染防止施設を計画、建設、操業する制度)を履行していない事実も確認され、操業停止処分を受けることとなった。海口市環境局の責任者によると、海口市は“鉄規治汚、鉄腕治汚”という同市の要求を徹底して、環境違法行為を容認しない“ゼロ容認”の姿勢を打ち出して降り、環境違法行為に対し徹底的な取締りを行うという。

海口市の環境管理

2014年から海口市は、環境監督管理に力を入れ、積極的に環境保全に関する特別取り締まりを行ってきた。2014年には様々な環境違法案件164件を摘発し、その罰金額は1839万元(約3億6000万円)にものぼり、人民法院を通じた強制執行案件も96件あった。

2015年1月に新「環境保護法」が施行されてから、同市は、環境保全状況における一斉審査をきっかけに環境関連法律法規の執行を更に強化した。違法な汚染物の無断排出、環境汚染防止施設の意図的な非正常稼働など5種類の意図的な環境破壊行為について、集中的に取り締まりを行っている。是正命令に従わない場合、責任者の公安部門への移送・拘留、あるいは犯罪行為に当たる場合、司法部門への移送を含め、強制措置も辞さない姿勢である。

また同市は、“網格化”環境管理執法システムを構築する。市、区、鎮(街)といった各レベルの“網格化”環境管理執法システムを活用し、市内の環境質に影響を与える汚染源に対して早期発見、早期取締り、早期解決により、初期段階から適切に対応する。

そのほか、同市環境局は、同市の環境質管理情報データベース・大気質予報モニタリングネットワークシステムの健全化による環境情報化の推進、12369環境違法通報ホットライン、インタネットを利用する通報プラットフォームの構築による環境違法行為摘発における市民参加の強化などの取り組みも行っている。

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