ドイツGWP、ウォーター4.0(第4次水産業革命)を宣言――水事業をデジタル化

ジャーマンウォーターパートナーシップ(GWP)が2016年5月、ウォーター4.0*1(第4次水産業革命)を宣言した。新時代の水インフラ整備を、ドイツ発のインダストリー4.0(第4次産業革命)とシンクロさせる。GWPによると、ウォーター4.0とは、資源効率的で、柔軟性に富み、しかも競争力ある水インフラ事業を展開していく戦略の中核に、デジタル化と自動化を位置付けるものである。その際、ウォーター4.0は「機械、工程、保管システム、運転手段のネットワーク化」、「スマートグリッド」、「モノとサービスのインターネット(IoT)」のようなインダストリー4.0のキーワードをアナロジー的に採用し、これらを体系的な水インフラ事業の枠組みに転用する。

ウォーター4.0の運用に際しては、サイバーフィジカルシステム(CPS)が、バーチャル、リアルな水システムを最適にネットワーク化するための推進力となる。CPSとは、現実世界の制御対象のさまざまな状態を数値化し、定量的に分析して、今まで経験と勘でしかわからなかった知見を引き出す仕組みのことである。水システムの計画、構築、運用は今後、CPSに基づくソフトウェアによって実行されることになる。この点で、水システムの物理的数値的計算のためにIT技術を利用するだけの第3次水産業革命(ウォーター3.0)とは異なっている。

GWPによると、ウォーター4.0によって、水ユーザ(農業、産業、家庭)と近未来的な水インフラの構成要素をインテリジェントにネットワーク化することが可能になる。さらにまたウォーター4.0は、水ユーザーに高い透明性を提供し、実際の需要を満たすだけでなく、水産業界の将来性ある創造的な職場を提供する。

GWPは、ウォーター4.0を実際に実行に移している加入企業の例を、次のとおり挙げている。

  1. リアルタイムコントロール・ウィーン(ウィーン市の水路網制御システムの策定と実施)
  2. ウェブベースのリアルタイムモニタリング(ドイツ国鉄シュトットガルト-ウルム間のトンネル工事における水管理)
  3. 早期警戒と長期的な事業のためのリアルタイムシステムを使ったデータ管理と自動化
  4. 完全統合オートメーション(TIA;Totally Integrated Automation)による下水管理
  5. 新次元の量水器iPERL―水消費量のデジタル計量(ENTEGA Darmstadt社の例)

*1 以下のリンクに、Wasser4.0報告書の原文掲載。
http://www.germanwaterpartnership.de/fileadmin/pdfs/gwp_materialien/gwp_wasser_40.pdf