ベトナム、多くの医療機関で廃水基準は守られていない

2017年3月31日、ベトナムの医療機関で廃水処理が適切に行われていない現状を現地メディアが報じた。

3月30日にハノイで開催された会議において、保健省のNguyen Thanh Long副大臣は、標準的な医療系廃水処理システムを備えている医療機関は国内1万3000件のうちおよそ6に過ぎないと明らかにした。この他の医療機関では、依然として原始的な廃水処理が使用されており、設備投資・設備は進んでいない。その主な障壁は、資金の不足とこの問題に関する医療機関および社会の意識の低さだとLong副大臣は強調する。

保健省は、環境保護のため、2020年までに全ての医療機関に廃水処理設備を導入することを目標として掲げており、これを達成するためには医療系廃水処理サービスの使いやすいレンタルシステムを構築することが必要だという。保健省傘下の健康環境管理Nguyen Thi Lien Huong局長によれば、中央病院のうち高品質な処理システムを備えているものは62%にすぎず、この割合は省営の病院では59.3%、県営では65.9%になるという。Huong氏は、このことは同国で毎日、大量の医療系廃水が十分に処理されない状態で、環境に放出されていることを意味すると強調した上で、廃水処理システムの能力不足は病院経営の非効率化につながると述べた。

会議では、廃水処理サービスのレンタルのための資本の割り当て、廃水処理コスト、維持コストなどについて議論が交わされた。この問題に関係する首相決定案においては、医療系廃水の排出に際して環境基準が確実に遵守されるよう、国営病院は医療系廃水処理サービスをレンタルすることができ、レンタル費用は検診の費用に含めることができると規定された。