2017年5月 メキシコ水技術庁、水資源の現状と将来の見通しを分析する「メキシコのウォーター・フットプリント」を発表

2017年3月21日にメキシコのアカプルコで開催された「第24回国家水会議」で、メキシコ水技術庁IMTAは「メキシコのウォーター・フットプリント-分析と予測」を発表した。メキシコのウォーター・フットプリントの全容を明らかにし、7つのケーススタディも含めてその分析と予測をまとめたレポートとなっている。

発表にあたってIMTAの局長は、水資源を確保し、2030年に向けた持続可能な開発目標を達成する為には、水資源の管理に関するパラダイムシフトが必要であるが、ウォーター・フットプリントはその糸口となるものであり、目標達成は未来の世代の為に国民全ての共同責任であることを認識するよう呼びかけた。

メキシコは数十年前までは水資源が豊かな国であったが現在は水不足が顕著な国の一つとなっている。レポートでは、メキシコの水消費の約半分は家畜を原料とする製品の消費に関連していることが報告されており、肉食に傾倒する食生活を見直す必要が指摘されている。また、太陽光発電や風力発電への投資を強化するなど、カーボン・フットプリントやウォーター・フットプリントを削減する政策の必要性も指摘されている。


図 メキシコにおけるウォーター・フットプリントの内訳
(出典:メキシコのウォーター・フットプリント-分析と予測)

報告書は以下の構成となっている。
第1章: ウォーター・フットプリントの定義と世界の動向。
第2章: メキシコのウォーター・フットプリントの状況。
第3章: メキシコの食生活におけるウォーター・フットプリント。
第4章: リオ・ベルデ川流域における、窒素とリンによるグレー・ウォーター・フットプリントとその削減のための評価。
第5章: アユキラ川流域の農産品のウォーター・フットプリント。
第6章: 家庭用及び農業用のブルー・ウォーター・フットプリントの計算。
第7章: 通商協定に水資源を優先したらどうなるか。
第8章: サラマンカ川流域の農産品のウォーター・フットプリント。
第9章: アパトラコ川流域の家庭用水のウォーター・フットプリントの評価。
第10章: 考察

なおIMTAは2015年から、国際NGOのウォーター・フットプリント・ネットワークに加盟している。

「メキシコのウォーター・フットプリント-分析と予測」は以下のサイトで閲覧可能(西語表記)。
https://www.imta.gob.mx/biblioteca/libros_html/huella-hidrica/files/assets/common/downloads/publication.pdf