中国生態環境部は2019年11月、「農村黒臭水対策業務ガイドライン(試行)」(以下、「ガイドライン」)を発表し、農村部悪臭汚水対策業務の全面的展開を図る。同「ガイドライン」は農村部黒臭水対策業務に関して、調査内容・方法、対策計画の作成、対策の具体的な内容、農村黒臭水対策モデル事業の展開および対策効果の評価・考査について規定している。それらの概要は次の通り。
1.調査内容・方法の部分では、農村部黒臭水に関する定義、判断基準、対策業務実施のプロセスなどが規定されている。
2.対策計画の制定について、水分条件・汚染源に関する調査、対策技術の選択、対策実施予算、対策効果予測などの内容が含まれている。
3.対策の具体的な内容について、原則、汚染源対策の要点、浚渫作業の要点、生態修復措置の要点などが明らかにされている。
そのうち、汚染源対策の要点とは農村生活汚水処理、農村トイレ汚物処理、家畜ふん尿処理、水産養殖汚染防止、栽培業汚染対策、工業廃水汚染処理、ゴミ処理などである。
4.農村黒臭水対策モデル事業の展開については、モデル地域選定の原則、モデル事業の内容、申込の流れ、モデル事業の実施方針を明らかにした。
具体的には、黒臭水問題が深刻であり、汚水・ごみ処理の経験をある程度有する地域を選定し、農村黒臭水問題の対策の仕組みの模索および長期的コントロールメカニズムを革新してゆこうとする事業である。
同「ガイドライン」によると、2019年~2020年には、各地農村部の自然条件、経済条件、汚染原因などを考慮の上、農村黒臭水対策モデル地域として30-50県城を選定する。2021~2025年の期間に必要の度合いに応じて、モデル事業の実施を開始する。
モデル地域の選定は自主申込制であり、県レベルの地域が農村黒臭水対策を制定し、順次市・省レベル関連部門に申し込みを提出する。省レベル関連部門は対策について審査・評価を行い、優秀な案件を生態環境部、水利部および農業農村部に提出する。それに対し、生態環境部、水利部および農業農村部はその中からモデル地域を最終的に選定する。
5.また同「ガイドライン」では、モデル地域における対策の効果評価の内容も明らかになっている。具体的に評価プロセス、モニタリング要求、評価内容が含まれている。対策実施中の各主体の責任分担なども記載されている。
同ガイドラインの原文は下記のURLよりダンロード可能である。
http://sthj.ln.gov.cn/hjgl/nchjgl/nyncwrzlgjz/201911/P020191125441467195983.pdf