中国2014年全国海水利用報告書 – 四、海水化学資源の利用

本稿は中国国家海洋局のWEBサイトにて2015年8月5日に公開された「2014年全国海水利用報告書」をEnviXが翻訳したものです。
» 日本語版目次
» 2014年全国海水利用報告書 原文(中国語)

四、海水化学資源の利用

海水中の化学資源の利用には、製塩、カリウム抽出、臭素抽出、マグネシウム抽出などが含まれる。2014年、製塩を除いた、カリウム・臭素・マグネシウム抽出事業は比較的速い成長を遂げた。主な製品には、臭素、塩化カリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウムが含まれる。海水や濃縮海水から臭素を抽出する事業の生産能力は、さらなる発展を見せた。濃縮海水の総合利用、製品の高価値化や産業化技術の研究分野では、濃縮海水を利用したハロゲンやにがりの連続結晶精製および同製品の高価値化技術の研究や実証、濃縮海水を利用したカリウム、ナトリウム、塩の高効率抽出や高価値利用の産業化実証が実施されている。

天津市長芦漢沽塩場濃縮海水(海水)臭素抽出装置の年間生産能力は6,000トン

2014年、天津市長芦漢沽塩場で2つの年間生産能力700トンの臭素抽出装置が建設され、年間6,000トンの臭素が抽出できるようになった。同装置は空気吹き出し法を採用し、海水および天津国投北疆発電所海水淡水化循環冷却後に排出された濃縮海水から臭素を抽出する。抽出された濃縮海水は製塩に使用され、海水淡水化および循環冷却後濃海水の資源の総合利用が実現できた。

 

» (次頁)五、検査と基準
» (前頁)三、海水の直接利用
» 目次に戻る