カリフォルニア州有地委員会は2008年8月22日、日量5000万ガロンの淡水化プラントの建設のためにPoseidon Resources Corp.(本社:コネチカット州Stamford)が申請していた土地貸与を承認した。Poseidon Resourcesはサンディエゴのおよそ30マイル北にあるCarlsbadに海水淡水化プラントを建設するため、2003年からその許認可申請手続きを進めてきたが、今回の州有地委員会の決定で、この手続きがほぼ完了することになる。
同日、Poseidon ResourcesのPeter Maclaggan副社長は声明を発表し、「きょうの州有地委員会の土地貸与承認により、太平洋はまもなく、カリフォルニア州の水供給ポートフォリオのなかで重要な位置を占めるようになるだろう」と述べた。淡水化プラントの建設は2009年からはじまり、稼働は2011年の予定である。
いっぽう、サーファーの立場から海浜環境の保護をめざす非営利組織Surfrider FoundationのMarco Gonzalez顧問弁護士は、Poseidon Resourcesが策定した海洋生物への影響軽減計画は、サンディエゴ地区水質管理委員会の承認をまだ得ていないと主張している。Surfrider Foundationは、プラント建設を条件付きで許可したカリフォルニア州沿岸委員会の決定の取り消しを求めて2008年1月に訴訟を起こしたが、 Gonzalez弁護士は、訴状を書き換え、州沿岸委員会による2008年8月6日のプロジェクト最終承認の取り消しも求めるとしている。
同弁護士によれば、Surfrider Foundationはまた、州沿岸委員会の命令により加えられたプロジェクトの変更を加味して環境影響報告書を補足する必要があるのに、それなしに淡水化プラントのための土地貸与を承認したとして州有地委員会に対する訴訟も準備しているという。さらには、淡水化プロジェクトの排水許可を承認したとして州の地区水質管理局に対する訴訟も準備中だという。
また、Gonzalez弁護士は、州有地委員会のPaul Thayer委員長に宛てた2008年8月21日の手紙で、淡水化プロジェクトの取水システムが引き起こすと予想される海洋生物の大量死に対して、Poseidon Resourcesが「代償的緩和プログラム」を使うのはカリフォルニア州のPorter-Cologne水質管理法Section 13142.5(b)に違反していると述べている。
同法のSection 13142.5(b)は、海水冷却システムを使用するプラントは立地、設計、技術、および影響緩和策において利用可能な最良の方策をとり、「あらゆる形態の海洋生物の取り込みと死を最小限にとどめなければならない」と定めている。