中国環境保護部科学技術標準局の担当者が2008年8月上旬に明らかにしたところでは、環境保護部の起案による汚泥環境管理体系の政策文書が一年余りの準備を経て近く発表される。この文書の内容は、(1)都市汚水処理場汚泥処理処分最善技術ガイド、(2)都市汚水処理場汚泥処理処分技術政策、及び(3)都市汚水処理場汚泥処理処分技術規範、の3つの内容を含んでいる。この文書は、法律、経済、技術及び行政手段を総合的に運用して都市汚水処理場の汚泥がもたらす環境問題を解決するものになると見られている。
【無秩序な堆積と簡単な埋立処分で問題が顕在化】
環境保護部科学技術標準局の趙英民局長の話によると、中国の汚水処理施設建設は空前の発展をとげている。しかし、都市汚水処理場から生ずる汚泥がもたらす環境問題がますます突出してきている。水分の比率を80%と仮定して計算すると、中国の汚泥発生量は年間約2500万トンとなる。汚泥の大部分は簡単な処理を経て無秩序に堆積され、あるいは簡単に埋立処分に付される。埋立された汚泥はごみ埋立量の約10%を占め、広い土地とごみ埋立場のスペースを占めるだけでなく、二次汚染をもたらし、生態環境と人の健康に害を与える。しかし、汚泥の処理・処分は十分に重視されていない。国の環境保護第11次5カ年計画及び全国都市汚水処理再生利用施設建設の第11次5カ年計画によれば、2010年には全国のすべての都市に汚水処理施設を建設し、都市汚水処理率は70%以上となり、全国都市汚水処理能力は一日当たり1億トンあるいはそれ以上になると推定されている。この数量で計算すると、水分が80%近い汚泥発生量は3000万トンという膨大な数量に達する。
【汚泥処理費用をどう解決するか?】
北京市環境科学研究院の王凱軍技師長によれば、今、汚泥の処分方法として中国では通常、(1)搬送し、堆積または埋立処分、(2)焼結、(3)田畑に使用または山林に使用、の3種類の方法がとられている。しかし、いずれの方法にも欠点がある。埋立処分には場所がいり、しかも無害化処理しないと埋立できない。汚泥無害化は誰が資金を出し、どのように処理するのか明確になっていない。また、焼結や田畑での利用には、コストが大きすぎ、候補地を決められないなどの問題がある。
汚泥処理費用には徴収メカニズムがまだ無い。汚水処理費用徴収は汚水処理場の正常な運転を保証することができる程度にすぎないものであり、汚泥処理の運営費用の全額を財政で補助することも現実的ではない。汚水処理費の徴収基準を引き上げることが汚泥施設の運営資金を早く集める唯一の方法であるように思われる。
環境保護部が間もなく出そうとしている文書は包括的な文書であり、その中味には、技術処理規範と指導原則も含まれ、サポート制度も含まれる。