GDF SUEZ、2008年第3四半期の仮決算を発表 ――EBITDA、19%増

GDF SUEZは2008年11月13日、2008年9月までの9ヵ月間の仮決算を発表した。これは監査前の数字で、前年同期比で見ると、売上は18%の増、利子、税、減価償却、債務償還前の利益(EBITDA)は19%の増となっている。また、2008年全体のEBITDAの伸びは前年比で10%以上になることが確実になった。2008年9月期までと2007年9月期までの監査前仮決算の比較を次表に示す(単位:10億ユーロ)。

2008
9
月期まで
2007
9
月期まで
グロス成長 有機的成長
売上 58.8 50.0 +18% +19%
EBITDA 10.4 8.7 +19% +21%

* ただしこのデータには、Distrigaz、SPE、Coriance(これらは企業合併の一環として売却)、およびFluxys(この仮決算では持分法で計上)の寄与分は含まれていない。

 

上に示したように、2008年9月30日までの売上は588億ユーロ(約7兆3200億円)で、これは前年同期とくらべて18%の伸び、有機的成長分は19%の伸となっている。この成長には、すべてのビジネス・ラインと地域が寄与しているが、なかでも以下の要素が大きく貢献した。

  • とりわけヨーロッパ(ベネルックス3国、イタリア、スペイン)および国際市場(ラテン・アメリカと北米)における継続的な成長
  • 電力、ガス、および石油の売上への燃料価格高騰のプラス効果と、LNGの裁定取引の利益
  • グループ内の炭化水素生産の成長
  • ヨーロッパにおけるEnergy Servicesの業績向上(堅調な需要、2007年同期より有利な気候条件、および燃料価格の高騰)
  • ヨーロッパおよび国際市場におけるSUEZ Environmentの水と廃棄物ビジネスの進展

 

GDF SUEZの売上増は、企業活動そのものの成長と、地理的な拡張をともに反映している。

2008年9月30日までのEBITDAは104億ユーロ(約1兆2900億円)で、これは前年同期とくらべて19%の伸び(有機的成長は+21%)となった。こうしたすばらしい実績は、Global GasおよびGNLのビジネス・ライン(探査と生産)、業務の拡張(エネルギー販売とプラントの立上げ)、および好ましい市場環境を反映している。

また、GDF SUEZは、2008年のEBITDAを10%以上伸ばすことを確実にした。この目標設定は、2008年第4四半期の以下のような事情を踏まえたものである。

 

  • 比較対象となる2007年第4四半期の業績が、有利な気候条件とLNGの裁定取引の利益を反映して例外的なまでに好調だった。
  • 現在、フランスで、天然ガスの価格が第2および第3四半期に起きたコストの上昇を全面的には反映していない。また、最近の石油価格の低下が、供給コストの上昇を相殺するまでには至っていない。

 

2008年9月30日現在の純負債は233億ユーロ(約2兆9400億円)で、これは同年6月末現在の188億ユーロ(約2兆3700億円)よりも増加した。この増加の要因としては、DistrigazとFluxysの連結範囲効果(15億ユーロ(約1900億円)の現金減)、この四半期における投資(35億ユーロ(約4400億円))、9月に実施した株式買戻しプログラム(4億ユーロ(約510億円))などがある。また、GDF SUEZグループの現金創出は、事業内容や運転資金の季節変動で第3四半期には伝統的に減る傾向にある。

Distrigaz売却による収益は2008年第4四半期に計上する。2008年第3四半期の仮決算にはDistrigaz、Fluxys、SPE、Corianceのいずれの寄与分も含まれていない。

また、GDF SUEZグループは3種類の社債――5年ものが10億ユーロ(約1300億円)、10年ものが9億ユーロ(約1100億円)、20年ものが5億英ポンド(約670億円)――をとどこおりなく発行した。これらの新たな負債は、グループ全体の強い流動性を維持しながら平均支払期日を先に延ばす効果がある。