中国では、長年の間、汚水処理に比べ汚泥の処理処置の対応が遅れており、汚泥の不適切な処理処置による二次汚染がしばしば発生し、全国各地の水処理場の共通の問題として政府管理機関を悩ませている。この問題の解決にあたっては、資金面はともかく、計画、技術、管理などの面で総合的な対応が要求されている。
そこで、市町汚水処理場汚泥処理処置技術の進歩を促進し、市町汚水処理場汚泥処理処置技術の開発の方向を明確にさせ、各地の市町汚水処理場汚泥処理処置技術の研究開発や応用普及の展開を指導し、建設工事と運行管理を促進し、二次汚染を避け、生態環境の保護と改善を図り、省エネ・汚染削減や汚泥の資源化利用を推進するために、中国住宅・市町村建設部、環境保護部、及び科学技術部は連携して《市町汚水処理場汚泥処理処置および汚染防止技術政策(試行)》を制定し、2009年2月28日に公布した。同時に、全国の省、自治区、直轄市の関連部門にこれを配布した。
本技術政策は、総則、汚泥処理処置計画と建設、汚泥処置技術路線、汚泥処理技術路線、汚泥運輸と貯蔵、汚泥処理処置安全運行と監督管理、汚泥処理処置保障措置の7章で構成されている。各章の主な内容や要点は以下の通りである。
- 総則
制定の根拠となる法規は、《環境保護法》、《水汚染防止法》、《固体廃棄物環境汚染防止法》、《市町村計画法》などで、他に汚泥処理処置の原則、責任主体などを規定する。
- 汚泥処理処置の計画と建設
汚泥処理処置の計画は市町村計画と符合しなければならない。現地の実情と睨み合わせて、環境衛生、園林緑化、土地利用などの関連計画と協調すべきである。市町汚水処理場を新設、改善および拡張する際、汚泥処理施設は汚水処理処置施設と同時に計画・建設・運行を行わなければならない。適切に処理処置されない汚泥については、関連規定に基づいて、該当市町汚水処理場の主要汚染物と同様に削減量を対等に算出し、削除する事が出来る。
- 汚泥処置技術路線
汚泥は園林緑化、アルカリ土壌の土地・砂漠化の土地・廃棄炭鉱などの土地改善、農業、建築材料に用いる際、それぞれの国家標準を満たさなければならない。汚泥の総合利用条件を具備していない状態での埋め立て処置は、まず、当該の国家標準を満たさなければならない。
- 汚泥処理技術路線
本技術政策は汚泥の嫌気性消化処理、高温好気性発酵処理、汚泥熱乾燥化、汚泥焼却などに対し、具体的な技術要求を提出している。
- 汚泥の運輸と貯蔵
汚泥の運輸と貯蔵について、それぞれの遵守事項を提出する。
- 汚泥処理処置安全運行と監督管理
国家と地方の関連主管部門の責任を明記している。
- 汚泥処理処置の保障措置
国務院及び地方主管部門は関連標準規範の制定を強力に進め、地方人民政府は汚水処理費の徴収をさらに引き上げ、汚水処理費に汚泥処理処置のコストを含めるべきである。国家から奨励されている汚泥処理処置技術と設備に対し、財政と税制面での優遇措置を与える。多元的な投資と運営を樹立し、特許経営などの方式を通じ、社会資本による汚泥処理処置施設の建設と運営の参与を奨励する。
本技術政策の発布は、中国で既に遅れている汚泥処理処置産業の進歩を牽引する役割を果たすものと期待されている。