Brumby政権は、ヴィクトリア州沿岸海域で実施される再生可能エネルギーの試験プロジェクトを認可した。同州のJennings環境・気候変動大臣によると、政府はPortland、WarrnamboolおよびPhillip Island沿岸での波力エネルギー試験が進展することを支持しているという。同大臣は「Brumby政権は、二酸化炭素を排出せずに電力を生産できる新技術を支持することで、持続可能なエネルギーへの投資を奨励する取組みを行なっている」と語っている。
Carnegie Corporation社は、1995年沿岸管理法に基づいて、3つの試験プロジェクトを実施するために国王地(Crown Land)と呼ばれる公共の土地の沿岸部分を利用して開発し、海洋調査を実施し、かつCETOと呼ばれる波力発電技術の試験を行なう許可を得た。
Jennings大臣は、この試験ではそれぞれの試験場所で波がどのくらいのエネルギーを生み出すのかがわかる、としたうえで、「この試験によって、ヴィクトリア州の周辺で最もエネルギーが集約される海域が特定され、我が州の周辺海域がもつ発電の潜在的可能性を決定することができるだろう。これは、ヴィクトリア州の周辺海域を利用して再生可能エネルギーを生産することが、環境や経済の観点から実行可能かどうかを明らかにする重要な最初のステップだ」と述べた。
今回の試験では、3カ所の試験場所において、環境モニタリング用の浮標(ブイ)、CETOユニット、およびロードセル(ひずみゲージ式荷重変換器)を使って海のエネルギーを測定し、記録し、分析する。CETOユニットは、フル稼働すれば、高圧の水をポンプで海岸にくみ上げ、水の圧力を利用して陸にあるタービンを回転させて、発電したり海水を淡水化したりすることができる。この試験が成功した場合、Carnegie Corporation社は充分な実証試験を開始するための認可申請を行うよう要求される。
Carnegie Corporation社は、「この試験は、岩礁が掘削されたり海草の生育地が荒らされたりといった、海や海底への影響はない、という合意のもとで認可されている。弊社は、試験プロジェクトについて利害関係者と話しあうつもりだ」と述べている。
Batchelorエネルギー・資源大臣によると、Brumby政権はヴィクトリア州の再生可能エネルギー・ミックスの多様化に投資しているという。また、同大臣は、「太陽熱、地熱、バイオマス転換、波力技術、エネルギー貯蔵など、主要な持続可能なエネルギー技術の大規模な実証事業を支援するため、7200万オーストラリアドル(約51億6600万円)用意している。さらに、ヴィクトリア州における再生可能エネルギーの利用促進を目的とした『Victorian Renewable Energy Target』という制度は、すでに再生可能エネルギーへの投資資金として20億オーストラリアドル(約1400億円)を集めており、将来的には2000人分以上の雇用を創出するだろう」と語った。