ラッド政権、「国家雨水・グレイウォーター・イニシアチブ」立上げ――家庭の雨水タンクとグレイウォーター処理システム購入資金を援助

ラッド政権の新たなプログラムのもと、オーストラリアの一般家庭は、雨水貯水タンクまたはグレイウォーター(生活雑排水)処理システムの購入に対して、最高で500オーストラリアドル(約3万円)の払戻金を受けられるようになる。

2009年1月30日、Wong気候変動・水資源大臣は、Bennelong選挙区選出のMcKew議員と共に、ニューサウスウェールズ州のEastwoodで「国家雨水・グレイウォーター・イニシアチブ」を立ち上げた。

 

Wong大臣は、「2億5000万オーストラリアドル(約150億円)の国家雨水・グレイウォーター・イニシアチブは、一般家庭が貴重な飲料水を節約するのを支援するという選挙公約を果たすことになる」としたうえで、次のように説明した。

「2009年1月30日から、国内の一般家庭は、家庭での節水を支援するための資金として、最高で500オーストラリアドルを払い戻してもらうことができる。このイニシアチブを通して、一般家庭は、飲料水の利用削減につながる雨水貯水タンクまたはグレイウォーター処理システムを導入するための金銭的サポートを受けることになる」

また、Wong大臣は、雨水貯水タンクは現在、都市部のほんの一握りの一般家庭でしか使われていないと指摘し、「アデレードでは例外的に40パーセントの家庭が雨水貯水タンクを持っているが、他の都市部では平均で10パーセントにも満たない」と述べた。

 

いっぽう、McKew議員によると、国家雨水・グレイウォーター・イニシアチブは、長期的な給水の確保を目的とした総額129億オーストラリアドル(約7700億円)にのぼる連邦プログラム「将来のための水(Water for the Future)」の一部であるという。同氏は、このプログラムの重要優先項目は水を賢く利用することで、一般家庭は水の利用効率の改善と気候変動への適応において重要な役割を担っている、として、「まだ雨水貯水タンクあるいはグレイウォーター処理システムを購入していないBennelongや他の地域の全ての家庭に対し、この払戻金の活用を検討し、我々の貴重な水資源を大切にするよう勧める」と付言した。

なお払戻金は、屋内においてトイレか洗濯、またはその両方で雨水を利用できるように接続される新しい雨水貯水タンクを購入して設置した場合、あるいは恒久的なグレイウォーター処理システムを購入し設置した場合に受け取ることができる。容量が2000~3999リットルのタンクには400オーストラリアドル(約2万3700円)、容量が4000リットル以上のタンクには500オーストラリアドルがそれぞれ払い戻される。

 

国家雨水・グレイウォーター・イニシアチブに関するガイドラインと申請書は以下のウェブサイトで入手できる。
http://www.environment.gov.au/water