中東欧諸国の経済体制転換ならびに自由市場経済を促進することを目的とする欧州復興開発銀行(EBRD)が、東欧における上下水道改善を手掛ける民間企業への8千万ユーロ(約110億円)の出資を決めた。
投資先は、スペインFCCグループ子会社であるAqualia社。全世界で約1100の地方自治体における上下水サービスを提供しており、サービス対象総人口は2600万人にのぼる。主な事業展開先は、スペインとポルトガルを中心とした南欧、さらにチェコ、イタリア、アルジェリア、メキシコ、中国などである。
今回のEBRDによる支援を受けて、同社はスロバキア、ポーランド、ハンガリー、ルーマニア、ロシア、旧ソ連諸国の水処理事業に参入する意向だ。いずれも、水マネージメントや関連インフラの早急な改善が必要とされる地域である。
また、EBRDの側には、民間企業への所有株を増やすことによって、中東欧地域における最新マネージメント技術の積極的な導入や環境適合基準の向上を図る、というねらいがある。さらに、従来、国家による独占状態であった当地域の水セクターにおいて、民間部門の役割拡大や市場競争の活性化につながることも期待されている。