Union-Tribune紙が2009年5月14日に報じたところによると、カリフォルニア州サンディエゴの北方25マイルのカールズバッドに計画中の西半球最大となる海水淡水化プラントについて、サンディエゴ地区水質管理委員会は5月13日、全会一致で承認を決定した。
この海水淡水化プラントは総工費が3億2000万ドル(約300億円)といわれ、プロジェクトの開発企業であるコネチカット州StamfordのPoseidon Resourcesでは、現在、資金を準備中で、2009年内には建設工事をはじめる計画だとしている。
サンディエゴ地区水質管理委員会の承認には条件がついていて、Poseidon Resourcesには、淡水化プラントの操業によって魚介類などの海洋生物に被害が出ることの代償として、カリフォルニア州南部に55.4エーカーの湿地帯をつくること、およびその湿地帯をモニタリングすることが義務づけられている。
この淡水化プラントは、完成のあかつきには1日に5000万ガロンの海水を飲み水に変え、それを、すでに契約済みの各自治体の水道局やコミュニティに販売する。プラントは既設のEncina発電所の敷地内に建設され、取水パイプと排水パイプは発電所のものを共用することになっている。
この海水淡水化プラントについては、Surfrider FoundationやSan Diego Coastkeeperなどの環境保護団体が、プラントの設計が環境面で可能なかぎり最良のソリューションになっていないとして以前から反対していた。これら2団体は現在、プロジェクトの差し止めを求めて訴訟を起こしている。
なお、Poseidon ResourcesのPeter Maclaggan副社長は、淡水化プラントの建設工事を委託する業者としてはIDE TechnologiesまたはTetra Techを検討中であると述べている。