アルゼンチンの中部に位置するサンタフェ州は、深刻な干ばつと帯水層の悪化、硝酸塩やその他有害物質による飲料水の汚染を受けて、非常事態宣言を発令した。
2009年4月21日に発令され官報に発表された州命令655号(Provincial Decree No. 655)によると、帯水層の水量が減少したことによって、より深い井戸を掘る必要が生じ、また有害物質の含有量が増加したことで、フィルターの設置や処理プラントの建設も必要になったという。
州政府は、非常事態宣言を発令し、300万ペソ(7800万円)の緊急支出を決定した。また、干ばつによる水が不足している地域への給水車による飲料水やボトル水の配布策も拡大される予定である。
同州は農業が盛んであり、アルゼンチンの耕作地と家畜の5分の1は同州により占められている。しかし、深刻な干ばつにより、地下水の硝酸塩濃度が急激に高くなり、フッ化物やヒ素の濃度も高くなっている。同州命令によると、これらの化学物質の蓄積は、健康に悪影響を与える可能性があるので、長期に渡って消費することは受容できないという。同州命令は、硝酸塩濃度が増加した原因が人為的なものによるのか、あるいは自然に起こったものなのかについては触れていない。