ハノイ市、有害廃棄物である廃油の不法処理を放置、専門の規制取締り機関もなし

ベトナムでは車やバイクから出た廃油は有害廃棄物である。したがって、法規に従い適正に処理されなかったら、深刻的な汚染を引き起こす。しかしながら、規制当局は今に至るまで、環境に放出され漏出して市民の健康に影響を与えているこのような有害廃棄物が適正に処理されているかどうか取締りを行ってきていなかった。

ハノイ警察の環境警察室によると、現在、他の事業に比べ、最も多くの使用済み廃油を排出する二つの事業が確認されているものとして、車と列車での交通運送サービスが挙げられているという。

関連法規によると、こうした有害な廃棄物を排出する事業者は、専門機関に廃棄物排出者として登録しなければならず、同時に、当該規定に従って運搬・処理を行わなくてならない。しかし、ハノイでは実際のところ、多数の廃油排出者について規制取締りが行われていない状況にあるという。

現在、廃油排出事業者は、利益を得るために、当該規定に従って処理することをしていないため、法規に違反している状態にある。適正な処理をしないことで、廃油を処理する費用がかからず、同時に、廃油を売って不正な金儲けをしている。今までのところは、廃油排出源管理事業はこの不法行為をしっかりと監督・取締りをする専門行政組織がまだないために、摘発されずに済んでいる。

環境に放出された廃油はその潜在的な有害性が大きく、市民の健康や生態系に悪影響を及ぼす可能性があることがよく知られている。仮に、人間の体に取り込まれた場合、一部の廃油は遺伝子に影響を与え、高率で癌を発症させる可能性がある。

こうした状況から判断して、ハノイ市は現在の廃油排出及び管理事業者に対して警告を発すべき時期にさしかかっているといえる。同時に、自然環境及び大衆の健康に対する廃油の悪影響についての宣伝・啓蒙活動を強化する必要もある。