欧州委員会、加盟国から提出される河川流域管理計画を評価し、水政策を再検討へ

欧州委員会のJosé Manuel Barroso委員長は、世界水の日である2010年3月22日、2012年までに水資源保護に関する政策文書を作成することを発表した。

この日は、水枠組み指令(2000/60/EC)が、加盟国に河川流域管理計画を提出するよう設定している期限となっている。欧州委員会は、提出された110の河川の流域管理計画を評価し、“欧州水資源保護構想(Blueprint to Safeguard European Waters)”を2012年に発表する予定である。また、“水不足および干ばつに対する戦略(Strategy for Water Scarcity and Droughts)”と気候変動や人為的ストレスに対する、水や生物多様性、土壌といった環境資源の脆弱性についても見直しが行われ、同“構想”とともに、発表される予定である。さらに、この政策文書の発表に併せて、いくつかの法律制定に関する提案も行われる可能性があり、その一案として、欧州委員会は、建物の水使用効率基準の導入を検討している模様である。

 

水枠組み指令(2000/60/EC)は、加盟国に対して、河川流域管理計画を2009年12月22日までに承認し、2010年3月22日までに欧州委員会に提出するよう要求している。欧州委員会の担当者は、「加盟国の3分の1は期限通りに提出を終え、またその他の3分の1は、まもなく提出するだろう」と語っている。しかしながら、地中海諸国などを中心とする残りの3分の1の加盟国では、計画の策定に大幅な遅れが生じている。ギリシャやポルトガルを含むこれらの国々では、計画に関するコンサルテーションがはじまったばかりか、あるいは、未だコンサルテーションが始まっていない国もある。

 

加盟国の流域管理計画策定状況については、以下のURLにて確認できる。
http://ec.europa.eu/environment/water/participation/map_mc/map.htm

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