UAE、水資源の保全および灌漑について検討する常設委員会を創設

アラブ首長国連連邦(UAE)は、水を生産および保全し、また水消費量を削減するためのよりよい手段を模索するため、“水資源および農業資源のための常設委員会(Permanent Committee for Water and Agriculture Resources”を設置した。同委員会は、UAE大統領およびアブダビ皇太子が2009年12月24日に発布した命令(No. 87)に基づき、創設された。

アブダビ環境庁が2009年に発表したレポート“気候変動:その影響と環境の脆弱性および気候変動への適応について(Climate Change: Impacts, Vulnerability & Adaptation”によると、UAEは急速な水需要の増加、地下水資源の減少、乏しい降水量、統合的水資源管理策の欠如といった問題に直面しているという。また、アブダビで消費される水のうち、82%が農業や森林、植木のために利用されているという。同レポートは、「一人当たりの水消費量および農業や森林への灌漑による水消費量を大幅に削減しなければ、水に対する需要が2050年には3倍になるだろう」と結論付けている。

2010年1月13日、上述の常設委員会の最初の会合が開催され、シンガポールで行われているような廃水処理後の水を農業や植木の灌漑に利用することについて、議論が行われた。また同会合では、以下の提言もなされた。

  • 委員会に、水資源、農業、灌漑、処理水の再利用、水需要量や作物消費量の算出等の分野の専門家から構成される技術事務局を設置すること
  • 先進的な廃水処理研究案を採用すること
  • 模範的な農場を設立するための計画書を作成すること
  • アブダビ環境庁が、すべての井戸や農場の土壌および水の塩分濃度を測定し、データベースを作成すること
  • 廃水処理施設を、森林や公園の灌漑システムとリンクさせること

上述のレポート“Climate Change: Impacts, Vulnerability & Adaptation”は、以下のURLよりダウンロードできる。
http://www.ead.ae//_data/global/book/climate%20change%20book%20full%20english.pdf