SiemensのSiCUREバラスト水処理システム、国際海事機関の基本承認を取得

Siemens Water Technologiesは2010年4月8日、同社のSiCUREバラスト水処理システムが国連の国際海事機関(IMO)の基本承認を取得したことを明らかにした。IMOの基本承認は、SiCUREシステムに使われているプロセスが船舶と乗組員の安全、および環境の面で適していることを示すものである。

SiCUREバラスト水処理システムの納入形態はコンテナ収容型、可動式、および組立て前のコンポーネント状態の3通りがあり、顧客のあらゆるニーズに応えることができる。

船舶のバラスト水を介してもたらされる水中侵入生物種(AIS:aquatic invasive species)が生態系におよぼす悪影響は、ますます深刻になりつつある。こうしたことがなるべく起きないようにするために、さまざまな機械的、物理的、および化学的処理が研究されている。バラスト水処理システムの開発と採用には、2004年の「船舶のバラスト水および沈殿物の規制および管理のための国際条約」が大きな役割を果たしている。

SiemensのSiCUREシステムは、物理的分離と、海水からその場でつくられる殺生物剤を使ったオンデマンド処理という独自のプロセスとを組み合わせたものである。SiCUREは独自の制御ロジックをもっており、それによってシステムのパラメータを調節し、環境や、船と乗組員の安全への影響を最小に抑えつつ、処理の有効性を確保している。

IMOの厳格な承認プロセスの一環として、SiCUREはすでに淡水試験に合格している。現在、塩水試験を受けているところで、これに合格すると最終承認があたえられる。さらに、承認の最後の段階として型式承認があるが、これは2011年になる見込みである。

SiCUREシステムは、2010年9月にドイツのハンブルクで開催される国際造船・舶用機械・海洋技術(SMM)見本市においてSiemensのブースで展示されることになっている。水処理装置は、Siemens Industry Solutions Divisionの海洋技術製品群のなかでも重要な位置を占めている。Siemensはまた、世界中のあらゆる種類の商船、艦艇、および潜水艦向けに電気装置類の設計、製作、装着をおこなっている。これにはターンキー方式のプロジェクトや改装も含まれ、船舶の全ライフサイクルをカバーしている。

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