中国の汚水処理産業、十二五ヵ年計画の実施期間に急速に発展する見込み

2010年3月25日に、第3回中国環境投資大会が北京市の清華大学で開催された。同会議において、清華大学の教授は「十二五ヵ年(第12次5ヵ年)計画の実施期間に、汚水・汚泥処理産業は急速に発展する見込みがある。策定中の十二五ヵ年計画で都市・鎮の汚水処理に向けた新たな指標が定められ、各県レベルの鎮、特に重点鎮は汚水処理場を建設すべきと要求されている」と述べた。

清華大学環境管理及び政策研究所の所長によれば、十二五ヵ年計画の実施期間に、汚水処理施設の建設産業は高度成長期を迎え、都市・鎮の汚水処理施設の建設資金は1539億元を要すという。十二五ヵ年計画の実施期間に、汚水処理施設の建設が必要となる都市は379であり、全国の都市数の57.69%を占める。新たに建設される処理施設は主に中・小規模の処理施設である。

都市・鎮の汚水処理施設の建設資金の中で、地レベルの市(省の直轄市)・県レベルの市(区を設置していない市)・県政府所在鎮の汚水処理場、付帯したパイプラインネットワーク、及び都市・鎮の改築された汚水処理場への投資額はそれぞれ263.43億元、96.28億元、282.20億元、773.21億元、168.38億元及び31.64億元である。

汚水処理施設の建設に伴い、汚泥処理市場も一層拡大されると予測されている。しかし、技術上の問題が汚泥処理産業の発展の妨げになっているという。

現在までのところ、汚泥処理産業は需要不足及び供給混乱の現状にある。地方政府は汚泥処理の必要性を十分に認識しておらず、汚泥処理施設の建設に資金を投入していない。国内の汚泥処理技術は多種多様であるが、地方政府にとって参考になるものではない。

技術、政策及び利用方式が未熟なので、短期間で汚泥処理市場は大きな投資チャンスになることはできないとされている。中国で含水率80%程度の汚泥は7.5万トン/日発生しているが、汚泥の処理処分問題が解決されていないため、二次汚染問題が逐次表れてきている。十二五ヵ年計画の実施期間に、汚泥処理施設の建設への投資需要は旺盛なものとはならないかもしれないが、環境保護の面で、それに対応することは重大な意義があると指摘された。