ベトナムでは最近、環境に深刻な汚染を引き起こす廃水の排出違反行為が多く摘発され、処理されてきている。しかしながら、違反行為は以前より一段と精巧になっている。従って、環境規制当局が早期に違反行為を発見し対策をとってゆく必要がある。
工業団地による環境汚染の実態を改善するためにとるべき対策の中で、生態的な配慮を施した工業団地モデルの構築はかなり新しいものであるが、有望な対策と見られている。生態配慮工業団地の建設が持続性のある対策ではあっても、一方で、工業団地の集中廃水処理場に排出される前の廃水の水質を監視・観察する自動的な観測システムを設置する必要がある。
環境保護局環境観測センターのHoang Duong Tung副長によれば、現在、沢山の事業者が廃水排出システムを建設しているが、それは一見よくできているように見えても違法に廃水が排出される狡猾なものであるという。これらは、建設が完了してから検査が行われるので、発見しにくいのが実態である。自動的な廃水観測システムをネットワーク化したセンターはこうした不正行為を解決出来る。すなわち、事業者が毎日排水量を報告する一方で、自動的な観測システムは環境検査機関にオンラインでデータを送付可能で、24時間の間、工業団地から直接しかも継続的にデータが送付される。近い将来、大手工業団地が集まっているベトナム南部のBinh Duong省では自動的な観測システムが建設される見込みである。
その一方で、環境に汚染を引き起こす企業に関する情報を地元の人が提供できるようにするためのホットラインも設置されている。それに加え、徹底的な汚染処理対策も適用される。資源環境省のPham Khoi Nguyen大臣によると、環境汚染事件を処理するための法的枠組みが現在十分に備わっているという。したがって、もし工業団地及び事業者が環境に汚染を引き起こす廃水の排出を早く阻止しない場合は、法律上深刻的な処分を受ける恐れがある。