海水淡水化技術は、世界の淡水への高まる需要を満たすという難題に対処するためのもっとも明るい希望の1つである。
海水淡水化プラント建設関連の資本コストは、依然高い水準にあるが、Pike Researchの最近の報告のなかで、いくつかの重要な技術のコストは確実に下がっているので、海水から淡水への転換はさまざまな用途でより手ごろな価格になることが示されている。
このクリーン・テクノロジー市場情報会社は、海水淡水化プラント建設の増加によって2010~2016年の期間に世界中で878億ドル(約7兆2000億円)という累積資本投資が生み出されると予測している。
Pike ResearchのClint Wheelock社長は、「淡水化市場の成長は、水資源の減少、人口増加、都市化、そして淡水化費用の低下といった要因の組み合わせによって推進されている。われわれは、主に世界的な金融不安の長引く影響のせいで今後2年間市況の下落を予想しているが、もっと長期の見通しは、引き続き堅調であり、われわれは、淡水化の資本投資が6年以内に2倍になると見込んでいる」と述べている。
同社長は、膜は、海水や汽水に溶けている塩分の高効率の障壁となるので、さまざまな場で費用効果的な手段として活用されていると言い添えた。もっとも使われている膜技術は、逆浸透である。多段フラッシュ蒸留、多重効用蒸留、蒸気圧縮などの熱プロセスも海水淡水化プラントで活用されている。
Pike Researchの分析で、淡水化市場は、設計調達建設(EPC)会社、淡水化プラント・サプライヤー、建設会社、維持管理サービス会社、金融機関、コンサルタント技術者、ポンプ、バルブ、膜、圧力容器、化学薬品のサプライヤーなどの多岐にわたる企業を結びつけることが分かっている。