イスラエルの水ビジネス専門のベンチャーキャピタルがGEと提携

2010年12月1日、水道事業を専門とするイスラエルのベンチャーキャピタルKinrot VenturesとGEが戦略的な提携関係を結んだことを発表した。これにより、Kinrot VenturesはGE Power & Waterの水道・水処理技術の専門家Steven Kloosを顧問団のひとりとして招き入れ、GEグループのPower & Water、Global Researchの両部門から技術面での支援を受けることになる。一方、GEのほうはKinrot社から、自社の水道技術の評価や商品化を支援してもらうことになる。

「Kinrot Venturesは世界の最先端を行く水ビジネス専門のベンチャーキャピタルのひとつであり、そういう企業と一緒に協力してやっていけることになったことをたいへんうれしく思う。これで世界の水処理技術のトップ企業としてのGEの立場もますます確固としたものになるだろう」GE Power & WaterのWater & Process Technologies部門の社長兼最高経営責任者であるHeiner Markoffはそう語っている。

「Kinrot Venturesとの提携は、わが社に眠る素晴らしいアイデアを次々と世界的な水不足と闘っていくための新しい製品やソリューションに変換していくことを可能にする、またとない組み合わせである。Kinrot Venturesを通して、わが社は世界の水ビジネスの市場にまたひとつ太いパイプを通したことになる。GEにできるのは、さまざまな問題を解決する新しいアプリケーションや洞察を提供することであり、場合によっては研究開発そのものを支援することもあるが、ともかくそうした技術面での能力を円滑に市場に伝えて広める太いパイプができたことになる」GE Global ResearchのAdvanced Technologies部門の副社長Michael Idelchikもそう語っている。

これに対して、Kinrot Venturesの最高経営責任者Assaf Barneaはこう語っている。「今回のGEとの提携関係の締結は、ここ3年間にわたって水ビジネスの分野に的を絞ってベンチャーキャピタルのあり方を追求してきた末に到達することができた大きな成果である。これにより、新たな生態系管理のあり方を示そうとしているKinrotの事業もまた一歩前進することになり、わが社のサービスにも、またひとつ、新たな付加価値が追加されることになるだろう。また、イスラエルの国営水道会社のMekorotや米国ウィスコンシン州のMilwaukee Water Councilとの間にできていたネットワークに新たにGEが加わったことにより、特定の地域だけにとどまらない、世界を視野に入れたネットワークもできてきた。これは、新しい技術を提案して普及させていくには、きわめて重要なことであり、これでわが社も、世界の水ビジネスの市場にこれからの時代の水道事業のあり方を提言することができる企業になるだろう」

Kinrot VenturesはイスラエルのGaon Groupとも提携関係にあるベンチャーキャピタルAquaAgroが所有する水ビジネス専門のベンチャーキャピタルであり、Kinrotの会長で、AquaAgroの業務執行役員も務めるHillel Miloも、こう語っている。「Kinrot Venturesのオーナーである私たちも今回のGEとの提携の重要性やその戦略的価値は十分に認識しており、この提携関係を実現させたKinrotの経営陣を心より祝福したい」