中国・重慶市、2010年12月より汚染物排出権取引制度を正式に運用開始

2010年12月1日、重慶市はすでに公布していた「主要汚染物排出権取引取り組みの切実な強化に関する通知」に基づき、汚染物質排出権取引の全面的実施を正式にスタートさせた。これにより、12月1日以降、重慶市では国家が定めた主要汚染物を排出する新たな工業プロジェクトの実施を申請する際には、事前に汚染物排出権取引を通じて相応の汚染物排出量を確保できていない限り、環境主管部門が当該プロジェクトの環境影響評価文書を審査・許可しないことになる。

重慶市主要汚染物排出権取引管理センターの責任者の話によると、重慶市は、2009年12月25日から排出権取引のモデルに関する取り組みが始められていた。現在、重慶市政府はすでに、「重慶市主要汚染物排出権取引管理暫定弁法」を制定し、さらに重慶市環境保護局は「重慶市主要汚染物排出権備蓄管理弁法」と「重慶市主要汚染物排出権取引規則及び手順規定」を制定している。同時に、物価、財政及び環境関連政府部門も共同で取引の基準価額を設定し、初歩的ながら、汚染物質排出権取引に備える関連法規や制度を構築している。

また具体的な取引内容においては、重慶市の企業は第11次5ヵ年計画期間中、すでに汚染物排出関連標準を満たしている場合、次のようなものが排出権の対象として取引されることができるとしている。

  • 技術革新、クリーン生産、資源リサイクル、汚染防止対策措置の実施を通じて或は企業の生産方針の転換、経営破綻などが理由で余っている汚染物排出定量
  • 「十一五」期間中、新規汚水処理施設や新規汚水パイプラインによる汚水処理量の増加分
  • 政府により汚染企業の閉鎖により余っている汚染物排出定量