ペルー政府は、水のニーズを解決するのに役立ち、急速な経済成長を維持するために海水淡水化を頼みにしている。
Alan Garcia大統領の政府が2011年に推進する33件のインフラ投資プロジェクトのうちの1件は、首都リマにおける海水淡水化施設の建設である。この海水淡水化計画は、ゆくゆくは海岸沿いのほかの施設の建設を促進させることになる。また海水淡水化は、鉱業に水を供給するのにも役立つものである。
このリマの施設は、2011年1月18日付の緊急令第001-2011号にあるプロジェクトのリストの6番目に挙げられており、このことは、ペルー政府の投資機関ProInversionが国際的にプロジェクトを進めるのに役立つことになる。同機関が1月上旬に発表したプロジェクトの概要には、米国など7カ国がすでに興味を示していることが報告されている。
リマ海水淡水化プロジェクトは、当初は英国のBiWater Groupが民間イニシアチブとして提案したものであったが、ProInversionが2010年12月30日にこのプロジェクトを国家プロジェクトに加えることを決めた。
標準契約によると、この施設は、逆浸透を用いる淡水化施設で、リマの南部に設置され、10万m3/日の水をこの地区の住民に供給するものとなる。また、このプロジェクトの契約を獲得した会社は、7つの貯水池と約60 kmのパイプラインも建設することになる。建設期間は3年間で、利権は23年間続く予定である。
Antonio Brack環境相は、この施設は、リマにさらに建設される淡水化施設や海岸沿いのほかの都市のためのパイロット・プロジェクトとなりそうであると述べた。というのは、ペルーのほぼ70%の国民が住む海岸沿いの細長い海岸地域はほとんど砂漠であるからである。リマもこの地域にある。
同相は、海水淡水化と廃水リサイクル処理の施設は、気候変動によるアンデス氷河の溶解に対処するためのペルー政府の取り組みの中核をなすものであると述べた。
海水淡水化施設はまた、ペルーの成長を進ませてきた鉱業部門における使用のためにも普及が促進されている。
ペルー政府は、今後5年間にペルーの現在の国内総生産(GDP)の3分の1に相当するほぼ400億ドル(約3兆3000億円)の鉱業への投資を発表している。この大部分は、鉱物は豊富にあるが、鉱業プロジェクトに重要な要素である水は減少の一途をたどっているペルー南部に計画されている。
鉱業のための淡水化施設は、人による消費や農業のためにより多くの水を解放するだけでなく、社会と環境問題との対立を打開するのにも役立つことになる。それは、2010年にペルーには246件の社会的対立があったが、その半分は環境問題に関係しており、その多くは、水の使用や潜在的な汚染を中心に展開しているからである。