ペルー環境大臣が今後10年の国家環境行動計画を発表――特に水、廃棄物分野での対策が急務

ペルー環境省(MINAM)は2011年7月14日、7つの重点分野について今後10年の野心的な目標を定めた国家環境行動計画を発表した。重点分野は水、固形廃棄物、大気、森林および気候変動、生物多様性、鉱業およびエネルギー、そして環境ガバナンスである。

PLANAA-Peru 2011-2021(最高政令014-2011-MINAM)と呼ばれる同計画は、環境問題、天然資源管理に加え、資源の埋蔵量やそれらの資源の持続可能な利用などの評価を中心に策定された長期的な国家環境行動計画である。それによると、水質の悪化がペルーの最も深刻な問題のうちのひとつであり、それにより水資源の利用が制限されている。首都のリマに水を供給しているリマック川を含め、8つの河川が特定された。リマでは家庭、工場そして鉱山からの廃水の垂れ流しによって深刻な水問題に直面している。また、固形廃棄物の処理も危機的状況にあるとみられる。国内で排出された廃棄物の30.9%のみが適切に埋立地で処理されており、このうちのおよそ3分の1がリマである。MINAMは2010年、全国31か所に正式な埋立地の建設計画を発表した。1億2650万ドルのこのプロジェクト資金は米州開発銀行からの融資で賄われた。

同行動計画は7つの分野でそれぞれ達成目標を掲げている。都市家庭排水の処理率を100%にすることや、再利用を除いた都市固形廃棄物を100%適切に処理することなどを要求している。大気に関しては、PLANAAは13の主要都市に大気質改善計画を2021年までに実施するよう呼びかけている。また森林に関しては、5400万ヘクタールの原生林すべての森林破壊を防止する。さらに、生物多様性の保全では、作物の有機栽培に使用する耕地面積を80%増加させる。鉱業およびエネルギーの分野では、すべての小規模な鉱山で高度な鉱山の管理手法を用いて操業し、またすべての大規模な鉱山において、環境保全のために利用可能な最善の技術を使用する。そして、環境ガバナンスの分野では、環境管理システムに基づいて全てのセクターが完全に行動計画を実施することを目標としている。

14日に同行動計画を発表したAntonio Brack環境大臣はPLANAAを、経済成長、社会的平等、そして環境価値のシナジーを高めるような組織の文化や風土を作り上げることによって、近代的かつ強力な国家環境マネジメントシステムを構築していくための指針であると位置づけている。

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