中国環境保護部、12次5カ年計画中、重金属汚染などの突出した環境問題に重点的に取り組む

2011年6月3日、環境保護部の副部長李幹傑は国務院新聞弁公室より開催された記者会見で、「十二五ヵ年(第12次5ヵ年)計画の実施期間に存在する突出した環境問題として、環境保護部は飲用水安全、大気汚染、重金属汚染、土壌汚染などを重点として解決しようとしている」と表明した。

中国の環境を取り巻く現状は非常に深刻であり、一部の地域で環境汚染が厳しく、重工業、化学工業などの重点産業による汚染物の排出は工業汚染の多くの割合を占めており、電気電子廃棄物汚染などの新しい環境問題は日増しに拡大し、突発事件及び環境事故も頻発している。

十二五ヵ年計画の実施期間に、環境保護部は飲用水安全、大気汚染、重金属汚染、土壌汚染などの突出した環境問題に重点を置き、環境改善作業を強化し、環境質の顕著な向上に取り組もうとしている。具体的な施策は下記の通りである。

  • 飲用水水源地を保護し、重点流域の水汚染防止を推進する。環境保護部は重点流域の汚染防止・改善専門計画の実施状況を対象とした評価制度を普及させ、各省政府が市・県の境界を跨ぐ水系の水質を検査するよう促す。全国重点都市における飲用水水源地の環境状況評価作業をさらに強化し、都市の飲用水水源地の環境保護計画の実施を推進する。9大湖に向けた「一湖一策」(各湖の実際にそくした対策)の汚染防止方案を策定・実施し、その他の湖については生態安全評価を行う。
  • 大気汚染の地域連合防止メカニズムを確立させ、大気質の向上に取り組む。環境保護部は十二五ヵ年計画の重点地域大気汚染連合防止計画を策定し、長江三角洲、珠江三角洲などの重点地域における大気汚染連合防止作業を大いに推進する。自動車排ガスの汚染防止制度を更に完備させる。
  • 汚染物排出総量の抑制作業を引き続き推進し、産業構造の調整を通じ汚染削減の目標を達成する。石炭火力発電所の脱硫・脱硝対策を促進させ、自動車による窒素酸化物NOxの排出を削減させ、製紙業などの産業セクターでの主要汚染物の基準を一層引き上げる。各県が汚染処理場を建設するプロジェクトを全面的にスタートする。家畜家禽養殖場の汚染削減を推進し、汚染削減対策を農業分野に広げる。
  • 環境保護専門行動の方式で人民生活に関する突出した環境問題を解決する。汚染排出企業への監督・管理を強化し、重点産業の重金属汚染を改善させる。「重金属汚染総合防止の十二五ヵ年計画」は水銀、クロム、カドミウム、鉛及び砒素を重点的な監視対象とし、2015年までに重点地域で重金属汚染物の排出量が2007年に比べて15%低減させる目標が立てられることとなる。