オーストラリアで初となる実用規模の太陽光発電プロジェクトが始動――海水淡水化プラントのグリーン化のために

2011年8月31日、First Solar、Verve Energy、GEフィナンシャルサービスは、実用規模ではオーストラリアで初となる太陽光発電プロジェクトが進行中であることを発表した。同プロジェクトでは、西オーストラリア州ジェラルトン(Geraldton)の南東、80ヘクタールの土地で10MWの電力を発電し、Binningup近郊の南部海水淡水化プラントで使用される電力のオフセットに用いられる。

西オーストラリア州が所有する電力会社であるVerve EnergyとGEフィナンシャルサービスがそれぞれ50%の出資を行い、西オーストラリア政府は2000万豪ドル(約16億円)を負担する。南部海水淡水化プラントの建設を行うWater Corporationは、Geraldton River発電所で発電されるすべての電力を買い入れる。First Solarは15万個の太陽光パネルの設置を含め、技術力、材料調達、建設、そして運用開始後の維持管理までを一貫して提供する。

Verve Energyの戦略事業部部長であるTony Narvaez氏は同プロジェクトの着工式にて、「この太陽光発電所はVerve Energy、西オーストラリア、そして地域の再生可能エネルギーに携わる人々にとって重要なものである。Verve Energyの再生可能エネルギー分野での評価を高めることになる」と述べた。GEフィナンシャルサービスにとっては同プロジェクトがオーストラリアで最初の再生可能エネルギープロジェクトへの投資となり、世界中の42のプロジェクト、4億ドル相当の太陽光発電への投資ポートフォリオに新たに加えられることになる。

同発電所は実用規模としてオーストラリア初の太陽光発電プロジェクトであり、現在オーストラリアにあるどのプロジェクトと比較しても10倍の規模がある。広大な乾燥した平野で良好な日照条件を利用し、2012年の中頃には全面稼働される見通しである。また、南部海水淡水化プラントの電力の一部をクリーンで持続可能なエネルギーを手ごろな価格で賄い、建設分野で50以上の雇用を創出すると見込まれている。電力需要がピークになる日中に発電を行い、年間2万5000トンの温室効果ガスを削減する。それは、乗用車5000台分の温室効果ガスに相当する。2020年までに20%という西オーストラリア州が連邦政府から割り当てられている再生可能エネルギー目標の達成を後押しする。

タグ「」の記事:

2019年12月20日
チリの銅開発公社Codelco、丸紅のコンソーシアムが落札していた淡水化プラント建設の入札をキャンセル
2019年10月15日
チリの銅公社Cochilco、2018年度の銅鉱山での地表水、海水、再利用水の使用状況を発表
2019年7月27日
ラテンアメリカ淡水化及び水の再使用協会ALADYR、ペルーでの淡水化推進を強調
2019年7月24日
太陽光蒸気発生システムでほぼ100%の脱塩を実現――モナシュ大学
2019年6月20日
チリの銅鉱山会社AMSA、5億米ドルの淡水化プラントを建設すると発表