Siemens、水処理の先端技術企業Cambridge Water Technologyを買収

Siemens Industry Automation Divisionは2012年1月24日、マサチューセッツ州ケンブリッジに本社を置くCambridge Water Technologyを買収することで両社が合意したことを明らかにした。この買収により、Siemensは最先端の技術を手に入れて製品ポートフォリオを強化していく考えだ。

Cambridge Water Technologyの買収は、上水道用の浄水や下水の処理、それに産業向け水処理の市場に高い顧客価値をもつ最先端の技術を追求していこうというSiemensの戦略を具体化する上で、ひとつの重要な要素といえる。Siemensは、先進国においても途上国においても、標準化された革新的ソリューションの使用により、費用対効果性にすぐれてしかも高品質な水処理技術を提供することに全力を傾けている。

Cambridge Water Technologyのすぐれた水処理技術:

Cambridge Water Technologyが開発して特許を取得しているさまざまな技術を使うことにより、浄水および廃水処理システムの固体除去率を向上させ、処理能力と汚染物質除去性能を強化することができる。これは市場でもすでに実証済みで、Cambridge Water Technologiesのソリューションは従来技術と比べて設置面積が半分以下で済み、既存のシステムの処理能力を新たなタンク容量の増強なしに2倍から3倍にすることができる。また、豪雨時の大流量にも効果的な対応が可能であるほか、高度栄養塩除去を他の方法よりも大幅に低いコストでおこなうことができる。さらに、Cambridge Water Technologyの製品ラインは、水処理システムの新設にも、またさまざまな公共上下水道用および産業用システムのグレードアップや改良にも適しており、Siemensがこれまで生物学的な廃水処理や清澄分離、それに浄水処理の分野で提供してきた技術を補完するものである。

今後の展開:

この買収により、Cambridge Water TechnologyはSiemensの公共下水処理ビジネス部門に統合され、マサチューセッツ州ケンブリッジをベースに事業活動をつづけることになる。Cambridge Water Technologyの経営幹部であるCharles Hamlin、Steve Woodard、およびAndy Bishopは、Siemensの公共下水処理ビジネス部門の経営チームにも加わる。

Cambridge Water Technologyはこれまで、おもに公共下水処理の市場でBioMagおよびCoMagのブランドでソリューションを提供してきた。さらに、Cambridge Water Technologyは多くの産業向け用途にその技術を応用してきたし、また飲料水の浄水処理への応用にも投資をつづけている。これら同社独自の技術は、清澄分離プロセスの最適化のためのバラストとして磁鉄鉱を使うという斬新なアプローチを基本としている。この種の技術を生物学的廃水処理のプロセスに応用することに成功したのは、Cambridge Water Technologiesが初めてである。こうした技術を使うことにより、処理能力の増強や栄養塩除去、およびさまざまな要求に応えるための改良をおこなうのに必要な設備投資を、大幅に引き下げることができる。

今回合意がなされた買収には、Cambridge Water Technologiesのグローバルな技術使用権が含まれているが、アメリカ国外で同社が現在保有している子会社は含まれていない。

なお、BioMagおよびCoMagは、Cambridge Water Technologyの、また国によってはその関連会社の商標である。

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