タイのユーティリティ・電力供給企業WHAUP、ベトナム・ハノイの水道業者SDWTPの株式を取得

タイのユーティリティ・電力供給事業者WHA Utilities and Power Plc(WHAUP)は2019年8月8日、ベトナム・ハノイを拠点とする水道事業者Duong River Surface Waterplant Joint Stocks(以下、SDWTP)の34%に上る株式の取得を進めていることを明らかにした。買収金額は27億6,000万タイバーツ(約95億4,700万円)に達する。

WHAUPの完全子会社WHAUP(SG)2DR Pte Ltd(以下、WUPSD)がベトナム・ハノイの公共(水道)事業へ投資を行うことをWHAUP取締役会が承認し、WHAUPはその旨をタイ株式取引市場(Stock Exchange of Thailand)へ通知した。SDWTPは現在、年間5,475万m3に上る飲料水(上水道)供給容量を有しており、2019年に向けて同容量を今後1億950万m3にまで拡大することを計画している。WHAUP最高責任者Wisate Chungwatan氏によると、国内の経済成長と都市化に伴い、ベトナムの水道供給事業は急成長しているという。

ベトナム政府は、飲料水へのアクセス向上を促す政策を掲げている。ベトナム一般統計局(General Statistics Office of Vietnam)によると、ハノイの人口は2018年で780万人を記録し、2025年までに900万人へ増加することが見込まれている。ハノイ全体の飲料水供給容量は現在、SDWTPを含めて年間4億150万m3に留まっている。これに対して、同市における飲料水の需要量は年間平均5億4,750万m3に上る。Wisate氏は、「Vietnam Water, Sanitation and Environment Joint Stocks Coの調査によると、ハノイにおける飲料水の年間需要量は、2030年に98,550m3へ増大することが予想されている」と述べた。

更に、ベトナム天然資源環境省の報告によると、2018年時点でハノイにおける給水人口は全体のわずか31%に留まるとしている。しかしWisate氏は、2050年までに給水人口100%を目指すとしている。また、現在ハノイでは上水道として供給されている水の69%が地下水供給プラントから賄われており、今後10年間でこれらの施設を閉鎖することを目指している。

なおWHAUP及び傘下の子会社は2018年時点で、9カ所の工業団地にて産業用水供給プラント17箇所、排水処理施設13カ所を有している。

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