Siemensのアメリカ法人であるSiemens Corporationの一部門、Siemens Industry, Inc.(本社:イリノイ州バッファローグローブ)は2011年12月5日、同社がスマートグリッド管理ソフトのeMeter Corporation(本社:カリフォルニア州サンマテオ)の全株式を取得することで両社が合意したことを明らかにした。この買収手続きは、必要な承認事項と一般的遵守事項の完了をもって、2011年12月中に終了する予定である。この買収合意の金額等の詳細は明らかになっていない。
統合化されたスマートグリッド・ソリューションを提供へ:
買収後、eMeterはSiemens Industryの一部門であるSiemens Infrastructure & Cities SectorのSmart Grid Divisionに組み込まれ、本部をサンマテオに置いたまま、Siemensのグローバル・ビジネスの一部門として、メーター・データ管理(MDM)の統括センターとなる。eMeterの従業員は、そのままSiemensの体制に組み込まれる。この買収は、スマートグリッド市場における地位の強化へ向けたSiemensのつよい意思を示すものだ。
eMeterはEnergyIPと呼ばれるコンピューティング・プラットフォームを提供しており、スマートグリッドというこの重要な市場におけるプラットフォームおよびMDMアプリケーション・ソフトのリーダーとして、Siemensの地位の強化に貢献するものと期待されている。eMeterの専門技術はSiemensの技術ポートフォリオを補完するもので、Siemensはこれにより、統合化されたスマートグリッド・ソリューションを提供することができる。
関係者のコメント:
今回のeMeter買収について、Siemens Infrastructure & Cities SectorのSmart Grid DivisionのJan Mrosik CEOはこう述べている。「eMeterの買収により、Siemensはエネルギー情報およびメーター・データ管理の分野でその事業範囲を世界にひろげることができる。都市やユーティリティ向けのスマートグリッド効率改善のためのソリューションの需要は増えつづけており、そのことが、今回の買収をさらに重要なものにしている。eMeterは、電気、ガス、および水のユーティリティがスマートグリッドのすべてのメリットを実現することを可能にするすぐれたソフトウェアとサービス能力で名声を博している。Siemensの製品とソリューション、それにeMeterのソフトウェアが組み合わさることにより、ユニークで相互補完的なサービスを顧客に提供することができる」
いっぽう、eMeterのGary Bloom社長兼CEOはこう述べている。「Siemensのグローバルな事業展開および革新的な製品とサービスがeMeterの誇るEnergyIPプラットフォームといっしょになることで、積極的な成長戦略が強化され、スマートグリッド市場へのさらなる浸透が可能になる。市場におけるわれわれの地位を大幅に高めるために、eMeterの人材、技術、および事業運営に必要な投資をSiemensがしてくれることを確信している」
なお、この企業買収にあたってeMterへの財政的助言はJ.P. Morganがおこなった。