- 製鋼プラントの廃水リサイクルにZLDとEDRを利用する世界初のプロジェクト
- ZLD技術により、地元の河川への廃水の排出がゼロに
- 地元の水質汚染防止の取組にも貢献
General Electric(GE)は2012年4月26日、同社の廃液排出ゼロ(ZLD)技術を使った廃水リサイクル・システムを、2013年第2四半期にインド西部のマハーラーシュトラ州にPOSCOが新設する冷間圧延製鋼プラントに供給することを明らかにした。これは、極性転換方式電気透析(EDR)を含んだ完全なかたちでのGEのZLDシステムを製鋼プラントに応用する初の試みである。
韓国のPOSCO Engineering――韓国最大の製鉄会社POSCOの完全子会社――とのあいだで交わされた契約にもとづき、GEはPOSCOが新設する製鋼プラントに、水再生利用のための2系統のEDRトレインを含むZLD廃水処理システムを供給する。GEはまた、システムの設置と運転開始の期間中に、運転員の訓練などの技術サービスも提供する。
GEのZLDシステムの導入について、POSCOのKyung Sun Kimプロジェクト・マネージャーはこう述べている。「この地域の深刻な水問題を考えると、これまでの高い工業用水使用レベルを引き下げることはきわめて重要だ。GEの革新的でしかもカスタマイズされた廃水処理システムにより、POSCOはこの問題の解決をめざしつつ同時に廃水の排出に関する地方政府の規制をクリアし、水質汚染防止の取組に貢献することができる」
また、GE Power & Waterの水・プロセス技術部門のJeff Connellyエンジニアード・システム担当部長はこう述べている。「POSCOがEDR技術を使うのは処理済廃水の回収率を高めるためで、ZLDシステムを使うのは廃水処理の信頼性を向上させるためだ。どちらも、地域の水消費量の節減に役立つばかりでなく、世界的な水不足の解消へ向けた取組にも重要な技術だ」
POSCOの冷間圧延製鋼プラントは2013年の第2四半期に運転を開始することになっている。このプロジェクトは、GEとPOSCO Engineeringとのあいだの、以前から密接だった関係の上に成り立っている。2009年、GEは火力発電所向けのEDR技術をDaewoo Engineeringに提供しているが、このDaewoo Engineeringが2011年にPOSCOグループに併合されて名称を変えたのが現在のPOSCO Engineeringである。