中国北京で全国水資源業務会議開催――国務院副総理、最厳格水資源管理制度を実施するよう求める

中国北京で2012年5月7日から8日にかけて、全国水資源業務会議が開催された。同会議では、今後水資源の開発利用や水使用効率に対する規制に関し関係者への十分な説明を行い、2012年内に水機能区*1において“3つのレッドライン*2”に沿った規制および指標の体系化を図るとの方向性が示された。また、同会議において中国共産党中央政治局委員で国務院副総理の回良玉は、最厳格水資源管理制度*3を実施していくよう求めた。胡四一水利部(MWR)副部長によれば、MWRは“3つのレッドライン”を積極的に推進する方針であり、31の省・区・市が作成した、関連する政策文書には、最厳格水資源管理制度を具体化する内容が盛り込まれているとのことである。

『最厳格水資源管理制度実施についての意見』(国発[2012]3号)は2012年1月に発表されている。同意見では、2030年までに「全国用水総量規制」を7000億m3以内に抑え、水機能区での水質の基準値達成率を95%以上にするといったことが示された。

中国では水問題への取り組みがなされ、水使用量の減少など改善が見られる面もあるが、依然として種々の問題が存在している。報道筋によると、現在、水機能区の水質の基準値達成率は46%に留まり、約3分の2の都市では水不足が生じているという。

【関連URL】
『最厳格水資源管理制度実施についての意見』は下記URLにて閲覧可能である(中国語)。
http://www.gov.cn/zwgk/2012-02/16/content_2067664.htm

*2 水機能区:水の機能・性質に基づき範囲を定め等級に割り振り、級ごとに定められた水質基準達成を目指す水域。例えば飲料水の水源は2級に区分される。*2 “3つのレッドライン”:中国語では“三条紅線”と表記。水資源開発利用管理、用水効率管理、水機能区汚染制限の3項目に関し、達成基準を定める。*3 *3最厳格水資源管理制度:水資源管理に関する指針。MWRが中心となり策定する。