飲料水の品質向上、基準値までの排水浄化、住民の健康リスク低減を目的に、2013~2020年度の施行を予定している長期目的プログラム案「モスクワ近郊の綺麗な水」が、モスクワ州財務省及び料金委員会との調整を通過する見通しであり、来年には発効するかも知れない。
「本プログラムはモスクワ州における給水システム発展の基盤となるものだ。プログラムには、連邦予算、州予算、予算外資金源からの融資が見込まれている。これにより住民は綺麗な水を得られるようになる。いまの状態では40%の水が基準に適合しておらず、水道網の36%が老朽化している。仮に既設水道管の7%を基準に合ったものに交換するだけで、混入物が消え、住民はすぐに違いを感じるだろう」このようにモスクワ州建設及び住宅公益事業相Elyanyushkinが今日の州政府会議で発言し、更に「水道網の改修費用は150億ルーブル、このうち連邦予算とモスクワ州予算からは約11億ルーブルの拠出が見込まれ、残りは予算外資金源から融資を受ける予定だ」と付け加えた。
先にモスクワ州管理本部が伝えたところによると、職員が州内各地区の水質を調査した結果、モスクワ近郊のDmitrovsky地区では取水設備97地点のうち70地点(全体の72%以上)で飲料水が基準に適合していなかった。またYegoryevsky地区でも村落の浄水場が80%老朽化していた。
一方で、モスクワ州Zheleznodorozhny市では今年6月に新しい浄水場が操業を開始した。これは2006年以降、同市で建設された3番目の浄水場となる。更に同市では、新たに2本の水道管を敷設し、市街地の取水設備を改修する予定となっている。この他にも2012年1月にはVoskresensky地区で、2月にはKlinsky地区で、それぞれ新しい浄水場が操業を開始している。
ロシア連邦構成主体では2010年12月から連邦目的プログラム「綺麗な水」が施行されており、この間に総費用3318億ルーブルのうち180億ルーブルが国家予算から融資されている。2011年度にはロシア24地域に30億ルーブルが拠出された。