シンガポール国内の水関連事業は、2012年もさらに成長を続けていくと見込まれている。2011年における水分野への投資総額は1億3000万シンガポールドル(約80億円)に達し、それに関連するプロジェクトが全て実施された場合、新たに460人の雇用が生じることとなる。また、シンガポールに拠点を置く関連企業数も増加し、この6年間で2倍になり、100社を超えた。同期間にこれらの企業が携わった国際プロジェクトは100を超え、総額90億シンガポールドル(約5600億円)に相当する。
このようなシンガポールにおける水産業の成長性に注目した多くの外国籍企業の1つに、PWN Technologies社(以下PWN)がある。
PWNの概要
PWNは、オランダ 北ホラント州が所有する非営利事業会社PWN Water Supply Company North-Holland(PWN Water)の完全子会社である。PWN Waterは、北ホラント州において毎年1億600万m3の飲料水を提供しており、さらに水処理工程における光酸化(促進酸化)および膜処理分野で世界をリードしている企業である。PWNは、PWN Waterが開発した上水処理技術を、世界中の他の上水処理事業会社に提供しており、得られた利益はPWN WaterのR&Dに回されている。
PWNシンガポール支社のグローバルマーケティング&コミュニケーション担当ディレクターであるDebbis Middendorp氏は、同社がシンガポールで事業を行うことについて、次のように自信をのぞかせている。
「オランダおよびシンガポールの銀行は、革新的な技術分野への投資に関心を抱いている。素晴らしいプランとそれがもたらす成果を示せるならば、銀行にとって面白い投資対象となるだろう」
PWNのシンガポールでの実績
2011年におけるシンガポール国内でのPWNの目立った成果として、以下の2つがある.
- チョアチューカン地区での、セラミック膜を用いた上水処理プラントの試験運転
セラミック膜処理技術を適用した、1日あたり120万リットルを処理可能なプラントの試験運転。セラミック膜の耐用年数は20年とされ、従来使用されていた高分子膜の約4倍となる。環境・水資源省傘下の環境・水産業プログラムの助成を受けている。 - PWNのアジア太平洋本部の開設