Pentair、Tycoの吸収合併後、インド市場開拓を視野

Pentair Inc. (本社:ミネソタ州ミネアポリス)が28億ドルの市場規模を有するインドの水処理・流速制御市場の開拓を視野に入れている。Pentairは2012年3月にバルブ、流速制御、熱管理の世界大手であるTyco Internationalを吸収合併し、水技術の分野で世界最大の企業へ成長した。合併後、Pentairはフィルター、ポンプ、パイプ製品や民間および工業分野の廃水処理における技術開発およびマーケティングに注力している。

都市化に伴う需要の取り込み

80億円規模の企業となったPentairは、インドを含む有望市場におけるシェアを拡大させている。急速な都市化、効率的な水使用の必要性からインドの水処理・流速制御市場は民間部門で年間25%、工業部門で年間10%ずつ成長している。インドでPentairの地域担当責任者を務めるMukund Vasudevan氏は次のように語っている。「インドにおける都市化の速度は同国のGDPの成長率を上回っている。そのため、水インフラ産業も大きな発展が見込まれる。浄化された水を利用できるのは人口の10%以下で、我々の製品やサービスには大きな可能性がある」。

Pentairは過去4年間でインド事業を4倍の規模にまで拡大させた。それらは主にフィルター、フィルターシステム、流速制御機器、パイプシステム、バルブ、ポンプ、そしてポンプシステムの製造・供給によるものである。「年中無休で水にアクセスできる人口は全体の25%にも満たない。加えて、下水処理率はわずか15%である。我々はそこに商機を見出しており、自治体レベルから中央システムに接続されていな地域、そして家庭にまで幅広いソルーションを提供している」とVasudevan氏は語る。

経営の多角化戦略

浄水、廃水処理の市場規模は10億ドルで、年間10%から15%で拡大している。そのうち、70%が産業部門によるもので、残りの30%は民間部門が占める。ポンプおよびバルブに関しては、それぞれ8億ドルの市場規模があり、産業、民間部門ともに急速に拡大している。「民間部門では、コストや無駄を削減し、使用を最適化するようなより良い技術が必要だ。いっぽう産業部門では、すでに水不足に対する問題意識が高く、多くの企業で水を効率的に使用するための装置や廃水処理装置のニーズが存在する」。

インドの民間部門における無収水率は30%にも上る。Pentairは自治体レベルで漏水、家庭または地域レベルでは下水の再利用、効率的な配水を監視するための高度な製品群を揃える計画がある。また、PentairはTycoの吸収合併後、石油・ガス産業向けのパイプライン、発電産業向けのリサイクルソルーション、そしてそれらに必要とされるポンプやバルプなど、非水部門の拡大を図りたい構えだ。「現地生産によって、インドに適した製品を提供していく。インドは水質が変化し易く、電力供給が不安定であるなど他の市場とは特徴が異なる。我々は、この地域において最高の技術を低価格で提供していく」。

数値で見る吸収合併後のPentair

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Pentair and Tyco’s Flow Control Business to Combine(2012 March 18)を基にEnviX作成

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