フロリダ州リー郡のBWROプラント、改修・拡張プロジェクトが米国設計建築協会から受賞

フロリダ半島南西部に位置するリー郡の北部浄水プラントは、2006年に運転を開始した当初は5 MGD(日量500万ガロン=日量1万8925立方メートル)という公称処理能力を達成できないばかりか、数々の技術的欠陥に悩まされてきた。しかし、その後の改修・拡張プロジェクトには目を見張らせるものがある。2009年、プラントの性能上の欠陥を解消し、規模を倍加するべきだと判断した郡当局は、そのための改修・拡張プロジェクトを設計施工一括契約により実施することに決めた。

業者の選定には、これまでの競争入札ではなく、資格審査をベースにした選考方式が採用された。競争入札では水処理プラントにほとんど経験がないかまったく経験のない業者が選ばれてしまうこともあったからである。こうした選考プロセスを経て、総額1850万ドル(約16億2000万円)の設計施工一括契約による改修・拡張プロジェクトが、Mitchell & Stark Construction、Carollo Engineers、Harn R/O Systemsなどで構成される企業チームに発注された。

この業者選定・契約方式は、プロジェクト全体の工期を8ヵ月短縮し、郡が購入する水の費用をすくなくとも50万ドル(約4400万円)節約する効果があったと考えられている。

改修・拡張プロジェクトの主要ポイント

リー郡のスタッフのひとりは、このプロジェクトはプラントのこれまでの問題をすべて解決するとともに、かん水逆浸透(BWRO)の処理能力を要求値の10 MGD(日量3万7850立方メートル)にまで高め、しかもそれらを期日どおりにやってのけたと高く評価し、プロジェクトの概要について次のように述べた。

「Harnは、2.5 MGDのトレインを新たに2系列設置したほか、既設のトレインの供給水ポンプをこれまでより大型のものにし、可変周波数ドライブ(VFD)とHEMIインターステージ・ブースターを追加したが、これによって大きなコスト節減が実現した。また、既設の膜エレメントを新たな440平方フィートFilmtecエレメントに交換することで、造水能力を当初の設計値まで高めることができた」

このスタッフはさらにこう述べている。「これまでは供給水のpHを前処理段階であらかじめ硫酸で調整していたが、そうすると硫酸濃度が増し、浸透性能に悪影響が出る。Carolloは、これをやめて、もっとあとの段階の脱気の直前でCO2によりpH調整をするという後処理方式を提案した」この提案を採用したことで、年に最高で50万ドル(約4400万円)の化学薬品コストが節減されたという。

リー郡はまた、設計施工をおこなう企業チームがリードタイムの長い主要機器をあらかじめ指定したことにより、それらを売上税なしで直接購入することができたので、それによって23万7000ドル(約2080万円)の売上税を節約することができた。

こうしたことにより、このプロジェクトは、米国設計建設協会によって「2012年フロリダ地区プロジェクト・オヴ・ザ・イヤー」に選ばれた。